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文筆家のリー・アンダーツは自分の経験から、悩みを吐き出せる場を作った

2024.10.10

#BOOK

悩みを打ち明ける場として生まれた「オルタナティブ福祉」

Celeina:現在リーさんは、ご自身の経験から「オルタナティブ福祉」という活動をされていると伺っています。こちらを始めたきっかけは?

リー:私が母と戦っていた時に、「なぜ母は公的な福祉のサービスを受けられるのに、大変な私には何もないんだろう」と思ったんですね。だから、本来はそういったケアを受けることができる団体を作れたらと思っていたんですが、時間がかかりすぎてしまう。今すぐにできることを考えていたら、友人が「どんどん書いて味方をつけて、広めていくべきなんじゃないの」と言ってくれたんです。

最初は「なんか違うな」と感じていたんですが、noteに書き始めたら当時の手帳に書き溜めていた自分の感情がどんどん思い起こされて、たくさん更新することができたんですよ。座談会や家族会は同じような悩みで集まった人が励まし合うものだと思うんですが、「オルタナティブ福祉」は解決の場ではないんです。かしこまってお話しするより、カフェや飲み屋で肩ひじ張らずに悩みを吐き出しませんか、という感じで。それぞれが抱えている悩みが全く違うから、思わぬ解決のヒントが出てくることもあって、面白いですね。

タカノ:「オルタナティブ福祉」はリーさんを中心としたプロジェクトのようなものなんですか? それともリーさんの活動?

リー:プロジェクトというよりは、「個人的福祉活動」と自分では言っています。

タカノ:誰でも相談が可能なんでしょうか。

リー:もちろんご参加いただけますし、メールで相談をいただくことも多くあります。noteや「オルタナティブ福祉」をきっかけに活動を始めたというお声をいただくと凄く嬉しいです。「オルタナティブ福祉」はミュージシャンを招いて、音楽で始めて音楽で終わるようにしていて。皆さんが話しやすい場にできたらと考えていますね。

Celeina:話し合いの中では具体的にどういった相談内容が出てくるのでしょうか。

リー:「ロマンス詐欺だと分かって結婚したんだけど、離婚ができなくてどうしましょう」という相談が印象に残っています。「かわいそうだから、騙されてあげてもいい」という気持ちで結婚したものの、「やっぱり違うな」と悩まれていたんです。

Celeina:どこにぶつけていいか分からない家族間の問題を話せるのは、力になりますよね。

タカノ:「福祉」というワードは介護のようなイメージを抱かれるかもしれないけど、本当に幅広く相談を受け付けていると感じました。

リー:そうですね、「恋人と上手くいっていない」という相談でも良いんですよ。色んな立場の人がいることで、思いがけない答えが導かれると思うので。

タカノ:人々の経験値を集合させているなと思います。

リー:話しにくいことも多いと思うんですけど、「私が最初に脱ぐから皆で脱ごうよ」みたいな感覚で。本を読んでくださっていても、読まれていなくても、私から話をすることで相手も話しやすくなると考えていますし、「私はまだマシだな」って思ってもらえたらなと。

Celeina:先陣を切って心を開いてくれるリーさんの存在がありがたい限りです。「オルタナティブ福祉」のイベントはリーさんのSNSからチェックしてみてください。今日は文筆家のリー・アンダーツさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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