グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
7月9日は、覆面作家の麻布競馬場さんからの紹介で、The Breakthrough Company GOのクリエイティブディレクター・小林大地さんが登場。自身の仕事の原体験となった高校時代のエピソードや、父から受けた影響。そして、趣味であるという、星の数に囚われない名店の探し方をお聞きしました。
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原体験は自ら卒業式をプロデュースした高校時代
Celeina(MC):昨日のゲスト、直木賞候補にもなっている覆面作家の麻布競馬場さんは、小林さんのことを強めにご紹介をしていましたね。
タカノ(MC):「小林さんのお仕事でイキった話を聞きたい」とおっしゃっていました(笑)。
小林:僕も麻布さんのお話を聞かせていただきました。僕自身の解像度が低いだけの可能性もありますが、自分の話をする方をあんまりカッコいいと思わないんですよ。
Celeina:「自分はこういうことをやっているんだ」とひけらかしている感じがして、あまりカッコよくないと。
小林:そうです。自分の話をする方も2つに分かれていて、面白おかしく話せる方と、話を聞いていて「なんか言っているなー」と思わせる方がいると思っています。僕は、自分の話を一生懸命することがあんまりカッコよくないと思うので、麻布さんと飲んでいる時は、自分の話はあまりしないようにしているんです。だから、基本的には聞く側としての立ち振る舞いが得意だったりします。
Celeina:自分では話さないけど、周りから聞いた話によると「実はすごいらしい」というパターンがカッコいい気がします。
小林:自分では語らないっていうのが1番カッコいいですよね。
Celeina:小林さんは、The Breakthrough Company GOのクリエイティブディレクターとして、ファミリーマートのテレビCMやベイブレードのリブランディングのほか、SKE48の新公演に向けた企画などを担当されているそうですね。
タカノ:クリエイティブディレクターとして、どのように携わっていらっしゃったんですか?
小林:ファミリーマートさんとは、「ファミマル」というプライベートブランドを立ち上げるタイミングで、The Breakthrough Company GOとして4年間ぐらいお仕事をさせていただいています。最近だと、おむすびの新キャンペーンをやらせていただきました。
ベイブレードは僕にとって超世代で、皆が熱中していたおもちゃなんですが、大人になるにつれて離れていっていたら、知らない間に、スポーツへ向かっていこうとしているんです。社会的には、テレビゲームがeスポーツとなっているように、いわゆるおもちゃと思われていたものの認識が変わってきています。今はベイブレードもスポーツを目指していて、ギアスポーツと定義づけしているんですよ。そのお手伝いをさせてもらったりしています。
タカノ:面白い観点です。ベイブレードがスポーツと知りませんでした。
小林:大人も「おもちゃ」と思っていたら、その世界に入りにくいけど、なんとなく顔つきがスポーツっぽかったら、1歩踏み出しやすい。そういうコンテンツを作っていきたいなと思ってやっています。
Celeina:数々のプロデュースをされていますが、現在の仕事の原体験は何だったのでしょうか?
小林:僕は大阪府出身で、高校はインター(インターナショナルスクール)だったんですよ。正確に言うと、僕は帰国子女でもなかったので、インターと同じキャンパスに付属している、一般家庭でも行けるインター志向の私学みたいなところに通っていました。その学校の卒業式をプロデュースしたことが原体験かなという気がしています。
Celeina:卒業式をプロデュースされたんですか?
小林:はい。たしか1学年が70人ぐらいで、決して人数も多くないんですよ。それに中高一貫ということもあり、ファミリーみたいな空気感もあって、卒業式をどうするかは、各学年に委ねられていました。原則として、卒業証書を渡す、こういうスピーチがある、などは決まっているんですが、演出は委ねられていたので、僕はその卒業式でレッドカーペットを敷いたんです。
「何年何組、小林大地さん」と呼ばれたら、「はい」と言って立ち上がって、スポットライトを浴びながら、「こんな大人になりたいです」とか「今までありがとうございました」と一言言って、校長先生のもとへ歩いて行くということをやりました。実は、今でもその演出が受け継がれているんです。
タカノ:小林さんが歴史を変えて、伝統になっているんですね。
小林:恐縮です。当時を振り返ると、それが今の仕事に繋がっている原体験だなと思いますね。
Celeina:当時からヒットメーカーだったわけですね。
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常識に囚われない「虎」のような父の姿を見て育つ
タカノ:ちなみに、小林さんのお父様は虎だという噂を聞きました。
Celeina:タイガー?(笑)
小林:そうなんですよ。僕が小学生の頃だから20年ほど前なので、ご存知ではないかもしれませんが、今やっている『令和の虎』というYouTubeチャンネルの元ネタになっている、『マネーの虎』というテレビ番組があったんですよ。
タカノ:知っています。テレビで観ていました!
小林:僕は母に「絶対に観ちゃダメ」と言われて育ってきたので、当時はピンと来なかったんですが、要は投資番組ですよね。夢のある若者に経営者が投資をするという番組に、父が投資する側として出演していました。なぜそこに出演していたかというと、マグロの刺身にアボカドをのせて提供するような料理ってあるじゃないですか。そういった、トラディショナルな日本料理じゃない創作料理を作ったが、僕の父なんです。
タカノ:すごいです。
小林:僕が幼い頃、父がやっていたメニュー開発会議に、「大地も来い! 晩ご飯を食ってけ」と言われて行っていたんですよ。そこで、こうあらなきゃいけないものを壊している父の姿を見て、その楽しさや企画をする面白さは、幼いながらに感じていた気がしています。
タカノ:違う角度から物事を見ることを学んだのですね。
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星の数ではなく、自分の価値観に合った穴場を
タカノ:小林さんはお仕事以外で好きなカルチャーがあると聞きました。
小林:僕には趣味が全然ないんですが、唯一好きなことがあります。食べログの星の数は3.5が1つの基準と言われているじゃないですか。3.5以下だと、人気がないんじゃないかって。僕は、星の数が3.5に到達していない美味しい穴場のお店を探すことが好きなんです。
Celeina:ちなみに、今日教えてくださるお店はありますか?
小林:ピックアップしてきました。このあたりでいうと、麻布十番の「真皿」という中華料理店です。今日時点で食べログ3.3なんですが、見つけた感がすごくあるお店です。
Celeina:小林さんは、どのようにしてそのお店を探しているんですか?
小林:探し方にポイントがあって、すごく恥ずかしいんですけど、「BRUTUS 麻布十番」ないしは「dancyu 広尾」で検索をするんです。そうすると、BRUTUSに掲載されたお店が出てきますよね。飲食店もあれば、もちろん、アパレルのセレクトショップもありますが、そうやって検索して出てきたお店を見て、次に食べログでそのお店を調べるんです。その中には、星の数が3.7だったり、1人2万円する高級店もありますが、そうじゃない店もいくつか出てくるんです。それが調べ方の1つのポイントかなと思います。
Celeina:なるほど。自分の好きな媒体を通した後に食べログを見てみるんですね。
小林:そうです。『BRUTUS』や『dancyu』じゃなくてもいいです。自分がいいと思っているメディアだと価値観が合うと思うので、1つフィルターをかますのはやっていますね。
タカノ:星の数がすべてじゃないですもんね。
Celeina:それは間違いないです。さあ、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいています。どんな方をご紹介していただけますか?
小林:編集者の小田明志という友人です。大学時代を一緒に過ごした仲間なんですが、ぶっちゃけて言うと、すごく仲が良いわけでもなくて、8年ぶりぐらいに連絡を取りました。でも来てもらったら分かると思いますが、明志は色気があってモテる男なんですよ。だから、小田明志の友達と言ったら、僕もモテるかなと思い、紹介してみました(笑)。
Celeina:ありがとうございます(笑)。明日は編集者の小田明志さんに繋ぎます。今日お迎えしたのは、クリエイティブディレクターの小林大地さんでした。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann