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アナログならではの機器を操る感覚がある。家電蒐集家の松崎順一が語るラジカセの魅力

2024.9.12

#MUSIC

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

6月19日は、平成レトロ文化研究家の山下メロさんの紹介で、家電蒐集家の松崎順一さんが登場。ラジカセの魅力や、近年のカセットブームの背景について伺いました。

5000台のラジカセと5万本のカセットを蒐集

Celeina(MC):松崎さんは1970年代以降の国内外の近代家電製品、中でも主にラジカセを蒐集、整備、カスタマイズを行い、ラジカセを使用したアート展のほか、アップサイクル、クリエィティブ、リユース活動を展開中です。2020年7月からはハンズ渋谷店内に「DESIGN UNDERGROUND SHIBUYA-BASE」をオープンされ、デジタル世代へアナログ家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動を行われています。ちなみに、ラジカセは何台ほどお持ちなんですか?

松崎:ラジカセは5000台、カセットテープは5万本ほど蒐集しています。

Celeina:5000台⁉ そちらは販売用でもなく?

松崎:個人の蒐集用ですね。

Celeina:中でもお気に入りの機種を教えてください。

松崎:僕は昭和生まれなので、青春時代に憧れていた機種が好きで。ラッパーが抱えているような大型のものよりも、モノラルで小型のラジカセが大好きです。今日もスタジオに持ってきているんですけど、コンパクトで音が良いところに魅力を感じます。

タカノ(MC):未だに探しているアイテムもあるんですか?

松崎:あります。家電蒐集家を始めて20年が経ちますが、未だに見たことのない家電もありますし。SHARPが40年ぐらい前に発売した、ラジカセとコンピューターが一体になった「ラテカピュータ」という家電を探していますね。数百台しか出ていないと聞いたことがあります。

タカノ:もし情報がありましたら、「FIST BUMP」の方にご連絡お願いします。

操作音まで楽しめるラジカセの魅力

Celeina:今日はスタジオにもラジカセをお持ちいただいていますが、こちらはどういった機種なんでしょう。

松崎:これは僕が憧れていた、SONYの「CF-1980Ⅱ」というラジカセです。当時は短波放送をラジオで受信して楽しむBCLブームの最中だったんですが、このラジカセは夜になると世界中の放送を受信することができて。それをカセットテープに収めて、また後で楽しむこともできるんですよ。

Celeina:なぜ夜なんですか?

松崎:短波放送は電離層の関係で、昼間だと遠くの放送は跳ね返って日本まで届かないんですね。でも夜になると、短波を跳ね返す電離層と地表に放送局の電波がジグザグと当たってやってくるんです。

タカノ:ラジカセは、サイズとしては割と大きめで、両手で抱えるぐらいですね。デザインも学校の放送室に置いてありそうな。

松崎:確かに、SONYのラジカセは学校にもよく置かれていた印象です。

Celeina:懐かしい感じがします。今日は松崎さんがいらっしゃるということで、私もカセットを持ってきました。私の母が1950年代生まれなんですけど、アメリカのテープで。

松崎:すごい。カセットのパッケージが海外仕様ですね。

Celeina:見ただけで分かるんですか?

松崎:僕はカセットの修理もやるので分かります。海外製のカセットテープはビスで固定していなくて、接着なんですよ。なので、開ける時にカッターで切らなくてはならないという。

タカノ:せっかくなので聴いてみましょう。

Celeina:『Woodstock: Music from the Original Soundtrack and More』のカセットです。

タカノ:最高! 操作音も良いですね。

松崎:ええ。スイッチをタッチする時の音などがアナログならではの魅力ですし、機器を操っている感覚が確かにあるんです。スマートフォンをスワイプするのはどこか人間的ではないけど、実際にスイッチを手で触ると自分で操作している感じがする。それが良いなと思います。

近年のラジカセブームの背景を考察

Celeina:ここ数年、カセットやラジカセの人気が高まっているように感じますが、なぜこういったものが流行っているのだとお考えですか?

松崎:昭和のオーディオブームとは違った形で、盛り上がっていると思っています。今の若い世代の人はカセットテープやラジカセを、個性を主張するためのファッションアイテムとして使っていると思うんです。音楽を聴くときにこんなこだわりがある、テープでこんな曲を聴いているというセンスをアピールしているように感じていますね。

Celeina:確かに、音楽が日常の一部になっていると思います。さて、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいているのですが、松崎さんがご紹介してくださるのはどんな方ですか?

松崎:アーティストの内田智速さんです。日常のありふれたシーンや物を全てアーティストにしてしまう方で、僕の店にもグッズを置いていただいているんですよ。

Celeina:明日も色々と訊いていきましょう。今日は家電蒐集家の松崎順一さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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