グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
4月22日は、「1977RECORDS」のLODIOさんが登場。日本初のロックDJイベント『ロンドンナイト』に出演することになったきっかけや、パンクを好きになった経緯、原宿にオープンしたオルタナティブスペース「PUNKTURE」についてお伺いしました。
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バンドのローディーから伝説的なロッククラブイベント『ロンドンナイト』のDJへ
Celeina(MC):週の最初は番組からの推薦で、『ロンドンナイト』の人気DJでもあった、「1977RECORDS」のLODIOさんです。
タカノ(MC):『ロンドンナイト』と聞いて、ピンときているリスナーもいると思いますが、1980年に爆誕した伝説的なクラブイベントです。LODIOさんはそこでDJをされていたんですよね。
LODIO:はい、今も一応やっています。正確に記録していれば、きっと世界で1番長く続いているロックイベントだと思います。
タカノ:音楽評論家の大貫憲章さんがオーガナイザーの、日本初のロックDJイベントですよね。LODIOさんはそこからDJのキャリアをスタートされたんですか?
LODIO:そうです。でもDJになりたかったわけではなかったんですよ。TOKYO SEX PISTOLSというバンドのローディーをしていたんですが、レコードを片手に持っていたら、大貫さんに「お前もDJやりたいのか」と言われて、あれよあれよという間になっていました。もともとはバンド自体が好きなだけだったんです。
Celeina:では、バンドマンを目指していたんですか?
LODIO:そうでもなくて、ただSEX PISTOLSが好きだったんです。DJの名前も特になかったので、TOKYO SEX PISTOLSでベースを弾いているヒカルさんに、「じゃ、お前はローディーだから、今日からLODIOだ」と名付けてもらいました。当時は、名前の最後に「お」を付けることが多かったんです。TOKYO SEX PISTOLSのボーカルは、「UNDERCOVER」のデザイナーの高橋盾さんという方なんですが、「ジョニオ」と呼ばれていました。
タカノ:そうそうたるメンバーですね。そこからいろんなカルチャーが出来上がっていったイメージがあります。
Celeina:その後、LODIOさんはご自身が立ち上げられたイベント『1977』をもとにして、「1977RECORDS」と名付けたパンクのレコード販売を通販でスタートされました。レーベルも立ち上げられていらっしゃるんですよね?

LODIO:レーベル自体はだいぶ前からやっていました。再発レーベルや新しいバンドのレーベルもやっていたんですが、今はそういうレーベル活動はしていないんです。ただその延長で、新しく原宿にあるオルタナティブスペースをオープンしたような感じです。
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パンクを好きになったきっかけはビジュアルから
Celeina:LODIOさんは、どんなきっかけでパンクを好きになったんですか?
LODIO:僕が入院している時に、退院したらどんな洋服を着ようかと思って『宝島』という雑誌を読んでいたんですよ。そこに、パンクや洋服の広告がたくさんあったので、それを見ていいなと思いました。そこに大貫さんも載っていたと思います。だから、パンクは雑誌から知った気がします。ビジュアルから入った感じですね。
タカノ:じゃあ最初は、パンクバンドの曲を聴いたからではなく?
LODIO:そうですね。SEX PISTOLSというワードも強いじゃないですか。そういうところから入っていった気がします。
Celeina:すごく壮大な質問ですが、パンクというのはカルチャーと音、どちらの比重が大きいのでしょうか? お互いが影響しあっているという感じなのでしょうか?
LODIO:そう思います。なかには、アティチュードと言う人もいますし、パンクのビジュアル面の強さに惹かれる人もいます。でも深堀っていくと、それだけじゃないと感じるところがたくさんあるので、簡単には言えないです。すごく長い話になってしまうので。
Celeina:なるほど。入りこんだ者のみが知れる境地があるんですね。
LODIO:でも僕はそれぞれが思うパンクでいいと思っています。「私はパンクのこういうところが好き」と、個々の考え方があるから、詳しくなくてもいいと思うし、答えはないと思います。
タカノ:ちなみに、当時のLODIOさんはどんな髪型をされていたんですか?
LODIO:SEX PISTOLSのジョニー・ロットンの真似をして、自分で髪の毛をすきバサミで切っていました。長かったり短かったりバラバラで、それもよかったです。服は、ヴィヴィアン・ウエストウッドが手掛ける「SEDITIONARIES」のブルーや赤チェックのセットアップを着ていましたね。成人式もそれで行っていましたし、派手でした。
タカノ:いいですね。当時は目立ったんじゃないですか?
LODIO:自分自身ではわからないんですよね。みんな普通にスーツ姿の中で、僕だけブルーや赤のチェックでした。
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オルタナティブスペース「PUNKTURE」をオープン
Celeina:LODIOさんは、原宿にオルタナティブスペース「PUNKTURE」をオープンされたそうですね。
LODIO:「PUNKTURE」というのは造語なんです。本当は、KじゃなくてCなんですけど、PUNKにしています。裏原宿にあって、小さくはありますが、自分が収集したものや表現したいことを、そこでできたらいいなと思ってオープンさせました。
タカノ:展示スペース的な場所になるんでしょうか?
LODIO:簡単に言うとそうです。
タカノ:どんな展示をされているんですか?
LODIO:ヴィヴィアン・ウエストウッドのショップ店員だったジョーダンの自伝本の日本語版が出た時には、その出版記念として展示を行いました。その展示では、デヴィッド・ボウイのアルバム『Heroes』のジャケットも撮影した鋤⽥さんがジョーダンを撮影した作品の展示販売もしましたし、僕もジョーダンのものを持っていたので、それも展示していました。
Celeina:今で言うと、ジョーダンさんの立ち位置はインフルエンサー的な存在という感じなのでしょうか?
LODIO:そうですね。彼女に影響を受けた方たちはたくさんいると思います。ショップ店員だったんですが、モデルや女優、歌を歌ったり、バンドのマネージャーだったり、とにかく多才だったんですよ。先日、その自伝本の出版記念のトークのイベントがあったんですが、藤原ヒロシさんが「彼女の1ファンとして参加しました」とおっしゃっていました。
タカノ:1970年代のパンクアイコンの1人ということですね。
LODIO:はい。彼女もパンクのイメージを決定づける存在の1人だと思います。
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パンクの世界は1つだけじゃない
Celeina:パンクが誕生してから50年近く経つかと思いますが、現在のパンクの流れや最近のムーブメントはどんな感じなのでしょうか?
LODIO:もう現在は枝別れしていると思いますが、やっぱりメインはルックスがすごく分かりやすくて、革ジャンに頭ツンツンで、いわゆるビジュアル系のパンクが強い気がします。僕もそんなに現在のパンクを追っているわけではないんですが、アメリカのパンクはそういう傾向が多いかな。どちらかというと、ストリート寄りの気がしています。ただ、パンクの世界は1つだけじゃないので、僕の展示もパンクの様々な角度があるうちの1つと思ってやっていました。
Celeina:なるほど! さて「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいています。どんな方をご紹介していただけますか?
LODIO:目黒区の大岡山で「LOWW」というギャラリーをやっている濱崎幸友くんを紹介したいと思います。一言で表すと、控えめな情熱家です。
タカノ:控えめな情熱家、相反する言葉にギャップがあって、楽しみにしております。
Celeina:今日は「1977RECORDS」のLODIOさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann