メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

プロ応援家・ジントシオが開拓した、応援を職業にするまでの道

2023.12.11

#OTHER

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

10月3日は、作曲家・プロ応援家のジントシオさんが登場。プロ応援家になるまでの道のりや、応援歌の作り方のコツについてのお話を中心に伺いました。

中1からプロ野球の私設応援団に入団

Celeina(MC):まずプロフィールをご紹介させていただきます。ジントシオさんは1980年生まれ、東京都出身の作曲家・プロ応援家。中学生からプロ野球の私設応援団として活動し、2010年に千葉ロッテマリーンズ球団公認の応援団長に就任、その後2018年から2021年まで東北楽天ゴールデンイーグルスの応援プロデューサーを務められました。プロ野球以外にも、高校野球、社会人野球、バスケ、アメフト、サッカーなど、様々なチームの応援歌を作られているほか、ゲーム音楽やアイドルへの楽曲提供などなど、活動の幅を広げられています。

タカノ(MC):聞きたいことがめっちゃいっぱいあります。

ジン:プロフィールが長いんで、怪しいですよね(笑)。

タカノ:気になるプロフィールですけど、まず中学生から応援団に入られたという。

ジン:少年野球の時にピッチャーをやっていたんですけど、プロ野球の選手にはなれないよなと思っていたんですよ。それに、当時から野球をやるよりも応援してみんなで騒ぐ方が楽しいなという風に思っていたので、中学1年生から私設応援団に入って、トランペットを吹いてました。

Celeina:キャリアプランがしっかりしていますね。

タカノ:でもすごい応援歴になりますよね。

ジン:長いですね。

Celeina:応援団ってぱっと聞くと、激しく体を動かして大声で応援するっていうイメージがあるんですけど、それは正解ですか?

ジン:もちろん、そういうのをやっていましたね。

タカノ:あとは野球の応援とかは曲が印象的ですよね。応援団の中で作曲活動もされていたんですか?

ジン:最初は色んな選手の応援歌のハモりを考えていたんです。考えているうちに、自分でメロディーをこうしたらいいんじゃないか、というのを積極的に提案するようになった、生意気な中学生でしたね。

タカノ:中学生の頃からってすごいですよね。

Celeina:すごい、芸術家ですね。

タカノ:そこからどんどん作曲自体もされるようになっていったという。

ジン:そうですね、そこから興味を持つようになりました。元々ピアノは習っていたんですけど、練習はあまり好きじゃなかったんです。でも自分で応援歌を考えるようになったら、色々と興味を持って新しいことにチャレンジしようと思うようになっていきましたね。

Celeina:ご職業がプロ応援家ですもんね。

ジン:厳密に言うと、現在は作曲の依頼を受けたり学校に教えに行ったり、応援の以外の仕事もやっているので、プロ応援家と言えるかは微妙ですが、2年前までは、企業やチームから依頼を受けて応援や楽曲制作して、それで生計を立てていましたね。

タカノ:応援ってなかなか職業にならないようなものですよね。

ジン:そうですね、ならないと思っていました。

Celeina:日本人では初めてなんですよね。

ジン:初めてかどうかは……まあ初めてです(笑)。

Celeina:言ったもん勝ちですね、これは。

タカノ:どういう道のりでプロを目指していったんですか?

ジン:20年ぐらい前に韓国に留学していた時期があったんですが、韓国のプロ野球には、プロとして依頼されて応援をする人たちがいたんです。日本でもこうなったらいいなと漠然と思っていたんですけど、私設応援団として10年ほど活動しているうちに、これをやっていてもプロにはなれないなと思って、1回止めていた期間がありました。

でも、あることをきっかけにマリーンズから「仕事として応援をやりませんか」という話を頂いて、その後に楽天からもオファーを受けまして。それで今では色んな学校や企業や『アメトーーク!』の「高校野球大大大好き芸人」のオリジナル応援歌とかも作っているという感じです。

Celeina:ジンさんのおかげで、応援団とか応援家さんの地位が向上してきているってことですよね。

タカノ:応援文化の盛り上げに。

ジン:今実際に楽天ではそういう人が何人かいますし、そういう夢になったらいいんじゃないかと。ちょっと私、大げさなこと言いましたけど。

タカノ:でも応援ってすごく大事なことだし。

ジン:確かに僕が私設応援団にいた時に、次の目標みたいなものがあったらいいなと思っていたので、今そういうことを発信できているのはよかったなと思っています。

応援歌を作る時に大切なのは自分の意見を入れないこと

タカノ:実はですね、私もこの番組で、「ヤング鎌倉」という鎌倉の少年野球チームの球団歌を作ったことがあったんですよ。プロの応援家のジンさんに、応援歌を作る時に大事にしているポイントとかをぜひ聞きたいんですけど、どうでしょうか。

ジン:まず自分の意見をあまり入れないことですね。依頼者の気持ちに応える、これが大事ですね。

タカノ:確かに。じゃあ結構ヒアリングもしますか?

ジン:そうですね、「こういう歌を作りたいんです」という依頼に、作ったのはあなたです、私ではありません、みたいな応え方をするというか。実際に組み立てているのは自分なので、チーム名を連呼するとか、ベタで分かりやすい部分は作りつつも、依頼者の方の入れたいメッセージとか思いとかをうまく組み合わせることがすごく大事だなと思って作っていますね。

タカノ:なるほど。メロディーのアプローチとかで、応援団らしくするにはこうしている、みたいなものはあります? さっき連呼というのは出ていましたけど。

ジン:繰り返す部分と、チーム名とか名前とかを一番分かりやすい部分に入れることが、応援歌っぽくなる秘訣かなと。

タカノ:分かりやすいメロディーとかもやっぱ大事なんですかね? あんまり複雑にしすぎちゃうと。

Celeina:みんなで歌える感じというのも大事ですよね。

ジン:そうですね、あとは短くまとめるのも大事です。

タカノ:ヤング鎌倉の歌を作る前にお会いしたかった。でもそのポイントはちゃんと踏まえていたので良かったです。

Celeina:ここまでお話ししていると、ジンさんが作っていらっしゃる応援歌も聴いてみたいな、という感じになってきますけれども。ここでちょっと1曲お送りしましょうか。ジンさんが作曲されている楽曲ですね。曲紹介お願いします。

ジン:ジントシオ最新の楽曲です、コナミ主催のインフルエンサー野球チーム、球団歌”野球しようぜ”聴いてください。

父親になってから野球観戦の視点が変わった

Celeina:ジンさん作曲の楽曲ですね。パワフルスピリッツ球団歌”野球しようぜ”、お送りしました。

タカノ:歌詞を結構聴いちゃいました。<心のキャッチボール繋がるよ>とかいいですね。

Celeina:ガツンと来ますね。直球で伝わってくる。

タカノ:盛り上がるし、歌いたくなっちゃうというのがね。

ジン:野球をする人を増やしたい、裾野を広げたいというテーマで考えた曲なので、<野球しようぜ、今度の週末>と。

Celeina:実際にこういう楽曲は試合中とかに流れたりするんですか?

ジン:先日試合があったんですけど、そのときに得点テーマとして使いましたね。

Celeina:得点が入ったら流れると。いいですね、盛り上がる。

ジン:YouTubeの動画でもエンディングでこの曲が流れます。

タカノ:イントロのエレクトロっぽいアプローチもすごく好きでした。電子音の感じ。

Celeina:野球観戦したくなってきちゃったな、この曲聴いていたら。

タカノ:掻き立てられる感じがありますよね。

Celeina:そういえばジンさん、今年お子様がお生まれになったということで、おめでとうございます。

ジン:色んな人生、紆余曲折あって、やっとパパになれました。

Celeina:パパになって新しい発見とかありましたか?

ジン:先日初めて娘と野球観戦に行ったんですけど、スタンドに入ったら応援団の音がうるさくて泣き始めちゃって、スタンドから出ていくということがありました。応援団うるさいなと思って(笑)。

Celeina:視点が変わった。

ジン:完全に視点が変わりましたね。あんなに自分もやっていたくせに、なんなんだよ、静かにして欲しいなと。それでスタンドの裏に行ったら、警備の方がニコニコして「かわいい」とか言ってくれたりして、そういう新しい球場の発見も色々ありましたね。

タカノ:また大きくなってから行ったら、応援を一緒に楽しめたりとか、そういう時代が来るかもしれない。

ジン:そうなって欲しい面もあるんですけど、あんまり色々と苦労して欲しくないなという気もします。でも野球の楽しさは知ってほしいですね。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS