メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

都市設計家・上條慎司と工学博士・福島秀哉が目指す地域と共に歩む街づくり

2023.11.13

#ART

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

9月6日は、建築家・菅原大輔さんの紹介で、「上條・福島都市設計事務所」の上條慎司さんと福島秀哉さんが登場。街づくりで意識していることや東京の好きな場所、アイデアの源泉について伺いました。

大地をデザインする2人の仕事

Celeina(MC):まずはプロフィールをご紹介させていただきます。都市設計家である上條慎司さんは1986年山梨県出身、工学の博士である福島秀哉さんは1981年岩手県出身。お二人は地域の歴史や生活文化に根ざした新しい時代の都市や街の姿を提案する設計事務所、「上條・福島都市設計事務所」を設立し、活動されています。

タカノ(MC):菅原さんが「大地をデザインする若手のホープ」という、めちゃくちゃいいキャッチコピーをつけてくれまして。

上條:持ち上げすぎていただいて恐縮なんですけれども、山とか川を含めた都市とかを、デザイン・設計しています。

タカノ:具体的にお仕事のお話から伺っていこうかなと思っています。

Celeinaお二人はいつ出会われたんですか?

上條:僕らに設計を教えてくれた師匠が同じ人なんです。小野寺康さんという方なんですが、東京駅から皇居に行くまでの行幸通りの広場をデザインしたり、出雲大社の前や、姫路城まで行く姫路駅の前とかをデザインされてるんです。業界内では有名な都市設計家で、そんな厳しい師匠から二人とも手の動かし方を習って、共通のセンスを持っているので一緒にやっています。

Celeina建築界って私やタカノさんは足を踏み入れることはない世界なので業界に明るくないんですが、師匠さんからの指導っていうのは厳しかったりするんですか?

上條:とても厳しかったですね。でもそれは、いいものを作りたいからで、その街に住んでいる人が本当に喜んで、住んでいて楽しいって思えるように最後までデザインを突き詰めてきました。

Celeinaお二人が一緒に仕事をやり始めたきっかけは何だったんですか?

福島:上條は設計、僕は大学の教員として立場は違いますが、二人とも東日本大震災の復興に関わっていたことです。復興の現場を見た際に、一つの建築だけを格好よく作るのではなく、街全体をどうしていくのかということを、デザインを提案しながら地域と一緒に考えてやっていかなくてはならないと思ったんです。

それは復興だけではなくて、これからの全ての街づくりに言えることだし、更に言うと、街づくりに関して考えられる若者を育てていく場所を作りたいとも思っていたんです。そこで、設計の根本的な価値観が合致していて、現場も共有している上條と一緒に始めました。

タカノ:ホームページを拝見したんですが、お二人の写真がアーティスト写真っぽくて、ユニット感があるんですよ。何か役割分担はあったりするのですか?

上條:福島はどうやって仕事自体を作っていくのかというプロデュースのようなことを、僕はデザインの方に重点を置いてという形で、緩やかに役割を分けながらやっています。

Celeina「上條・福島都市設計事務所」のお名前の順番はどうやって決められたのでしょうか?

上條:コロナ禍の2020年3月に開業した時、福島はまだ大学にいて、上條はこれからデザイン1本でやっていこうと思っていたところでした。まずは僕が主となって福島と一緒にやっていくという思いが、「上條・福島都市設計事務所」という名前に反映されているかもしれないです。

福島:上條のほうが5個下なので、若い人が前に出たほうがいいかなと。

タカノ:やっぱり福島さんはちょっとプロデューサー目線ですね。本日はお仕事の写真も持ってきていただいています。

上條:写真は新潟県弥彦村のカフェの設計の様子です。お施主さんから、「町の人がはっとするようなデザインをしてくれ」というオーダーを頂戴したので、地域の周りにある美しい山などがよく見えるようにカフェをデザインして、地域の人がゆっくりとした時間を過ごしてもらえるような設計をしています。

Celeina全体像の写真が手元にありますが、外観が自然と交わって馴染んでいるように感じます。これは中ですか?

弥彦村のカフェ 模型写真

上條:それは外ですね。これ、模型写真なんです。大体僕らはプロジェクトをするときに、結構大きい模型を粘土で作って、それをみんなで囲んでどうしたらもっと良くなるかを話し合いながらもの作りをしてるんです。

弥彦村のカフェ

タカノ:こちらの写真は千葉県の成田にある玉造幼稚園ということですが、どのような建築物なのでしょうか?

上條:オーナーさんが「森の中で子供たちをのびのび育てたい」という思いを持たれていたので、遊具はないのですが、いい木を残して、地形を使ってのびのびと遊べる空間を設計しています。

玉造幼稚園

タカノ:昨日菅原さんが、街を設計するときに、地元の方々とお話をしたり飲んだりするということを話していて、結構印象的だったんです。お二人はプロジェクトの最初の1歩はどこから始めるんですか?

福島:プロジェクトの第1歩には2つほどパターンがあります。1つは「この街はどうしたらいいですか」とご相談をいただくというパターンで、もう1つは、「これを設計してほしい」とお話をいただくパターンです。

どちらも地域全体がどういう状況で今後はどうしていくのか、今回デザインするものがどのような役割を担うのかということから考え始めます。あとは歴史をしっかり調べて、その上でそれをもって地域の方と話したり飲んだりして、それぞれの思いを聞いたり、街づくりをやっている地域の方などとお話をする中で願いを聞いて、大きなイメージにしていくということから始めたりします。

タカノ:その土地に住んでる方々の思いをしっかり受け止めるということですね。

福島:それが一番大事ですね。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS