グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
8月28日は、マッシュアップやサンプリングデザインがSNSで話題のデザイナー、ARUMANAさんが登場。電気グルーヴのグッズデザインで知られる独特な作風のルーツと、その制作について伺いました。
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圧倒的な画力と突飛な作風
タカノ(MC):今日、ARUMANAさんがデザインしたTシャツを着ているんですよ。
ARUMANA:イカしてます。
タカノ:これは、ポメラニアンヘビーメタルTシャツで合っていますか?
ARUMANA:そうですね。ポメメタルですね。
Celeina(MC):ポメメタル!
タカノ:結構前から着ていたんですよ。ライブ衣装にも使っていて。

Celeina:エッジが効いてますね。
タカノ:今日ARUMANAさんがゲストに来ていただいたのは偶然なんですよ。スタッフも僕がARUMANAさんのTシャツを着ているのは知らなくて。
Celeina:運命ですね。そんなARUMANAさんのプロフィールをご紹介させていただきます。美術大学を卒業後、デザイナー、絵描きとして活動され、現在は電気グルーヴのオフィシャルグッズのデザインや天久聖一さんとのコラボレーション、さらに個人での作品を自由に発表するSNSは、X(旧Twitter)では3.4万に、Instagramでは1万人にフォローされています。
タカノ:僕は結構前からARUMANAさんをフォローしていまして、どんな方なのか、ずっと気になっていたんです。
ARUMANA:全く想像できないようにやっているんですよね(笑)。
タカノ:大きめのTシャツで、ヒップホップっぽいファッションをされているんですね。
Celeina:チェーンのネックレスもイカしてますね。
ARUMANA:ありがとうございます。
タカノ:皆さんにもARUMANAさんのSNSをチェックしてほしいんですよ。作風の破壊力が凄すぎて、タダモノではない方が来るんじゃないかなってドキドキしていたんですけど、親近感のある感じの方で。
Celeina:いろいろお話を伺っていこうと思いますが、まず電気グルーヴとのオフィシャルグッズコラボ。そのグッズを持ってきていただきました。まずはクリアファイル。
タカノ:何て説明したらいいんですかね。ピエール瀧さんの顔に石野卓球さんの顔がいっぱい生えてる(笑)。

ARUMANA:そうですね(笑)。
Celeina:こちらは、ポメラニアンなのかな?(笑)
タカノ:上半身が裸の卓球さんが、瀧さんの顔をした犬を抱き抱えている。

ARUMANA:そうですね。
タカノ:頭に電極がいっぱい付いていて……とにかく画力がすごいです。先ほどの顔にいっぱい顔が生えたクリーチャーっぽいデザインのグッズはサンダルもあって、すごく素敵ですよね。
Celeina:これは痺れますね。
タカノ:これを履いていたら絶対人気者になれますよ。
ARUMANA:かっこいいと思います。まだ在庫が残っているかもしれないので、電気グルーヴのオフィシャルサイトをご確認ください。
Celeina:ちなみにこういうのは何を使って描かれるんですか?
タカノ:色々気になるんですよね。
ARUMANA:今はiPadで描いてますね。PCで描くこともありますけど。
タカノ:よく見るとすごく緻密なんですよ。
Celeina:そうそう。このクリアファイルでも、すごく細かい線がはっきり見えますよね。
ARUMANA:綺麗に印刷されてますね。
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ヒップホップから影響を受けた作風
タカノ:美大時代からこういう作風だったんですか?
ARUMANA:最初の方は油絵を描いていたんですけど、大学2年生くらいからPCを使って描くようになって。そのときは今みたいな感じではなく、もう少し美術寄りというか、美術の文脈から昔の古典絵画をサンプリングして描いていたんです。ただ、この電気グルーヴの人面犬は……。
Celeina:人面犬(笑)。
ARUMANA:これは大学を卒業した少し後ぐらいに依頼が来たんです。そのときに自分で描いていた絵とリミックスして、顔を瀧さんと卓球さんに変えて。レオナルド・ダ・ヴィンチみたいなイメージで描きました。
タカノ:先ほどからサンプリングとかリミックスとかっていう単語が出てくるじゃないですか。音楽的というか、ヒップホップ的な感じがしますよね。
Celeina:どんなカルチャーに影響されてきたんですか?
ARUMANA:それはこのTシャツの通りヒップホップですね。
Celeina:ヒップポップは音楽から入ったんですか? それともファッションから?
ARUMANA:音楽からです。日本語ラップを最初に聴いていて、そこから昔の作品をディグったり、USのヒップホップを聴いたり。それでサンプリングやマッシュアップの文化を面白いなと思って、自分の表現でもよく使うようになりました。
タカノ:マッシュアップといえばSNSでの投稿が本当にエッジが効いているんですよ。例えばですけど、『HUNTER×HUNTER』の表紙風にハリウッドザコシショウさんが描かれている『ハンマー×カンマー』とか。あれは結構バズってましたよね。

ARUMANA:あれはめちゃめちゃバズりましたね。一番最初の投稿は10万いいねぐらいですね。
タカノ:あとは『AKIRA』×ピエール瀧で『TAKIRA』。

タカノ:こういう発想はどこから来るんですか?
ARUMANA:ダジャレですね。言葉がまずあって、そこからどういうふうにビジュアライズしたら面白いかイメージして絵を作っていくパターンが多いです。モノにもよりますけど。
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マッシュアップはリスペクトが大事
タカノ:お笑いもお好きなんですか?
ARUMANA:お笑いも好きです。
タカノ:自分の好きなもの同士を組み合わせていく感じですか?
ARUMANA:そうですね。頭の中で『HUNTER×HUNTER』に似ている言葉はないかなって探して、『ハンマー×カンマー』みたいな。
Celeina:それってすごく音楽的じゃないですか? 私も歌詞を書くときに韻を踏ませたいワードがあったら、それにクリックするような韻の踏みを何個も当てはめて考えていったりするんです。
ARUMANA:それもやっぱりヒップホップ的で、韻を踏んだりダブルミーニングをかけたりっていうのはすごく面白いなと思っていて。そういうところから来ているものが多いかもしれないです。
タカノ:マッシュアップもサンプリングもそうですけど、やっぱり基本的には全部好きっていう気持ちがないとですよね。
ARUMANA:そうですね。本当にリスペクトが大事だと思っています。単純に名前を掛けるだけじゃなくて、それを好きな人がわかるような小ネタを入れたり、そういうところが面白いと思うので。サンプリングから知った人が元の作品を知って楽しむみたいなことも意識しています。
タカノ:だからこそARUMANAさんの作品は、ARUMANAさんの好きが詰まったカタログみたいな機能も果たしていて。
ARUMANA:自分が子供のときから摂取してきたものが現れている感じですね。
タカノ:面白いですね。まだまだお話を伺いたいのですが、1曲挟みたいと思います。ARUMANAさんにこの時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらったのですが、どんな曲でしょうか?
ARUMANA:自分のアンセムです。Dr. Dreで“Still D.R.E. ft. Snoop Dogg”。
タカノ:この曲がアンセムなんですね。
ARUMANA:インストゥルメンタルのバージョンも聴くほど好きです。自分の中でUSヒップホップといえばこの曲です。
Celeina:どんなときに聴くんですか?
ARUMANA:テンションを上げたいときとか、仕事に向かうときとかに聴きます。
Celeina:じゃあ今日もスタジオに向かうまでの間に?
ARUMANA:聴きました。テンションを上げて来ました。