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SFラブロマンスドラマ『ちょっとだけエスパー』で生き生きと動くキャラクターたち

2025.11.25

#MOVIE

©テレビ朝日
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「当て書き」で俳優とセリフの相乗効果を実感させてくれるドラマ

自身の持つキャラクターを活かして生き生きと動く大泉洋と宮﨑あおい©テレビ朝日
自身の持つキャラクターを活かして生き生きと動く大泉洋と宮﨑あおい©テレビ朝日

個人の人生を丹念に描くドラマにおいて、キャラクターが魅力的に映るかどうかはとても重要だ。本作の主要人物はすべて「当て書き」(先にキャスティングが決まっていて、演じる俳優に合わせて脚本を書くこと)だそうだが、だからだろうか。主要キャラクターたちの誰もが、『ちょっとだけエスパー』の世界で生き生きと動いているように見える。

第1話で大泉洋演じる文太が、ノナマーレの面接で、就職氷河期時代の就職活動とサラリーマン時代の働き方の厳しさを説いた場面からは、文太が抱える社会へのわだかまりの大きさが感じられた。また、宮﨑あおい演じる四季が文太に見せるコロコロと変化する無邪気な表情、愛情深い声色、拗ねたようなセリフ回しからは、亡き夫への惜しみない愛が伝わってくる。普段は明るく破天荒に振る舞っているディーン・フジオカ演じる桜介が、息子・紫苑(新原泰佑)を前にした時だけ見せる切なげな表情からは失った家族への後悔が伺える。俳優それぞれが、役柄の人生を背負い、寄り添って演じているからこそ伝わってくるものがある。

また、キャラクターの特徴を端々に感じさせるセリフも秀逸だ。長めに語らせる文太のセリフは、大泉がバラエティ番組などで見せる姿にマッチしており、四季のあざとくも感じられる可愛らしいセリフは、宮崎あおいの持つナチュラルさと融合することで唯一無二のチャーミングさを叶えている。俳優とセリフの相乗効果を実感させてくれるドラマでもあるのだ。

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