競技かるたに青春をかける高校生たちの姿を描いた『ちはやふる』。末次由紀による累計発行部数2900万部越えの大ヒット漫画は、3部作の実写映画も制作され大ヒットを記録した。
その映画3部作の10年後の物語を描いたオリジナルドラマ『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)が、いま話題となっている。
映画で監督・脚本を務めた小泉徳宏がショーランナーを務め、映画に出演した上白石萌音や矢本悠馬、森永悠希、坂口涼太郎らが10年を経た同じ役として出演し、後半には、広瀬すずらの出演も予定されている本作。
次世代の俳優とスタッフも揃った新たな青春ドラマについて、ドラマ映画ライターの古澤椋子がレビューする。
※本記事にはドラマの内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。
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燦然と輝く令和の青春ドラマ

ここまで真正面から青春を描くドラマを見たのはいつ以来だろうか。『ちはやふる-めぐり-』を見ていると、胸にポッと赤い炎が灯るのを感じる。思えば、近年は「学園ドラマ」と銘打っていても、大人に向けられたドラマが多かった。『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)や『御上先生』(TBS系)など、教室を社会の縮図として描くことで、社会的なテーマを際立たせる作品の数々。そんな時代に、『ちはやふる-めぐり-』は、主に、大人に対してではなく登場人物たちと同じ現役の学生たちに語りかけているように感じられる。だからこそ、大人となった私たちにも燦然と輝いて見えるのかもしれない。
『ちはやふる-めぐり-』は、大人には、もう戻れない青春の輝きを、現役の学生には、これから目指せる今この瞬間の情熱を見せてくれている。