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永遠みたいな、一瞬みたいな日々の軌跡

第11話の冒頭で、福の担任教師・沖田侑斗(橋本淳)が、福の妊娠の報告と彼女の想いを聞いた後で「すごいよ、めちゃくちゃ頑張らないと来れないでしょ。4日間で。今の、その川上まで」と言う場面があった。それは、第5話における産婦人科医・野田由紀(板谷由夏)が言った「あなたはここまで来てくれた。自分で妊娠の可能性に気づいて、検査薬を買って、自分で調べて。今日、ここに来てくれました。完璧です、川上さん」という言葉の延長線上を、また別の、彼女たちをサポートする「大人」であるところの沖田が、知らず知らずのうちに引き継いだ言葉のように感じる。そしてそれは、「永遠みたいな、一瞬みたいな」日々を走り続けてきた福と宝の軌跡を、視聴者はずっと見守ってきたのだということを改めて実感させるものでもあった。
子どもだけでなく大人もまた、完璧ではない。失敗もする。「大丈夫」と思っていても、大丈夫じゃないことはたくさんある。それでもちゃんと前を向いて、逃げずに、真っ直ぐに走っていけば、その先にはきっと「一番欲しい」未来がある。最終話の、福と宝が駆け抜ける先を見届けたい。
火ドラ★イレブン『あの子の子ども』

カンテレ・フジテレビ系にて毎週火曜よる11時から放送中
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/ts/RMVLGR9QNM/