INDEX
『探偵さん』の演出、『冬のさ春のね』の企画がもたらしたドラマの新たな可能性
オレンジ:演出面では『探偵さん、リュック空いてますよ』が面白かったです。沖田修一監督が軸となりつつ、近藤啓介監督や東かほり監督といった若手にエピソードを任せる座組が機能していました。「お湯」が主役の第5話「Electric 蟻電流 スチームdeathボイス」には、非人間的なものに命を吹き込むのが得意な東監督を起用するなど、適材適所のスタッフィングも作品の広がりを生んでいました。空を飛ぶシーンのあえての「チープさ」など、一般的な演出家ではやらないような遊び心のある演出も良かったです。
明日菜子:沖田監督だけでなく、各監督の個性にもフォーカスした作品だったのですね。
オレンジ:そうなんですよ。良いフックアップだと思います。あと、キャスティングでは『リブート』の東仲恵吾プロデューサーの功績が大きいですね。今までにも『ラストマンー全盲の捜査官ー』『グランメゾン東京』『99.9-刑事専門弁護士-』など日曜劇場を手がけてきた方ならではの豪華な布陣を見事に実現させていました。また、企画賞をあげたいのは『冬のなんかさ、春のなんかね』の道坂忠久さん。もともとバラエティ出身の方ですが、ドラマ制作に入ってから『街並み照らすヤツら』や『ホットスポット』など既存のドラマの枠組みを外れた印象的な作品を次々と生み出しており、注目すべきプロデューサーだと思います。
明日菜子:プライム帯の連ドラ全10話を今泉力哉監督に任せたというのも、よくぞ呼んでくれたという感じでしたね。