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「グローバル=英語」は終わり、アイデンティティを研ぎ澄ます時代へ
そして、J-POPのフィールドにおいても「多言語的な表現」は生まれてきている。その代表がちゃんみなだ。日本語、韓国語、英語を巧みに操るトリリンガルで、アルバム『Never Grow Up』収録の“I’m a Pop”のリリックでは3ヶ国語を駆使して自らのアイデンティティを表現している。アルバム『NAKED』にインタールード的に収録された“444”では、韓国語と日本語の会話のなかの「何語でもいいか。音楽だから」というセリフから、歌が始まる。
藤井風の“My Place”も、まさにこうした「多言語・多文化的なポップミュージック」の潮流の中に位置づけられる1曲だ。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)史上初となるオフィシャルサウンドトラック『2026 World Baseball Classic』に収録されたこの曲。バッド・バニーやJ・バルヴィンなど多数のアーティストと制作実績を持つプエルトリコ出身のプロデューサー・タイニーと制作したラテンポップのナンバーで、日本語・英語・スペイン語を織り交ぜた歌詞を歌う。
冒頭に書いたように、ポップミュージックの「地図」は、確実に書き換わりつつある。「グローバルに活躍するなら英語で歌わなきゃ」という時代は終わりつつある。「自分の言語で、自分の伝統から、世界に届く」ようになってきている。だからこそ「グローバルに活躍するなら自身のアイデンティティを研ぎ澄まさなきゃ」という時代が到来しつつある。バッド・バニーも、ビヨンセも、米津玄師も、ちゃんみなも、そうしたテーゼを無意識下で共有している。
ローカルな伝統を自らのセンスで掘り下げ、誰もやっていない新しいポップミュージックのスタイルとして再構築する。それによって生まれた強度が、ストリーミングとAI翻訳の時代に「言語の壁を越えて届く」力になる。 ロザリア『LUX』を、そうしたポップカルチャーの新しい時代の最先端にある作品と位置づけることもできるだろう。
ロザリア『LUX』

【トラックリスト】
MOV I
1.Sexo, Violencia y Llantas
2.Reliquia
3.Divinize
4.Porcelana
5.Mio Cristo Piange Diamanti
MOV II
6.Berghain
7.La Perla
8.Mundo Nuevo
9.De Madrugá
MOV III
10.Dios Es Un Stalker
11.La Yugular
12.Focu ‘ranni [CD,LP商品のみの楽曲]
13.Sauvignon Blanc
14.Jeanne [CD,LP商品のみの楽曲]
MOV IV
15.Novia Robot [CD,LP商品のみの楽曲]
16.La Rumba Del Perdón
17.Memória
18.Magnolias
アルバム詳細:https://bio.to/RosaliaLUXNU