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文菜の恋愛観を変えた男性との交際遍歴
今作の『冬のなんかさ、春のなんかね』にも、同様のいたたまれなさがある。それはやはり、文菜と彼女をとりまく男性たちとのやりとりが、あまりにも生々しいからだろう。もはや、天真爛漫で陽のイメージだった杉咲の姿を忘れてしまうほどである。
ドラマの中で彼女が演じる文菜は、もともとは大学の友人が妻子持ちの男性とつきあっていることに対して、他人のことなのに憤るような、規範的でごく普通の女の子であった。
しかし、彼女はその後、同じ大学の佃武(細田佳央太)や、小説家の小林二胡(栁俊太郎)、思いを寄せているが叶わなかったミュージシャンの田端亮介(松島聡)、そしてお互いに恋人がいながらも会っている小説家の山田(内堀太郎)などとの出会いや別れを通して、次第に、規範的な部分をなくしていく。


それ以前につきあっていた高校時代の元恋人・柴咲秀(倉悠貴)との経験だけ、少し違うのは面白い。第3話で富山に帰省した際に彼と再会して、文菜が「もう違う世界で暮らしている」と断言しているのも象徴的である。
