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『豊岡演劇祭』はなぜ表現者から人気なのか?表現活動を刺激する「出会い」を解説

2026.3.19

『豊岡演劇祭』

#PR #STAGE

演劇祭の内外で、団体や作品が育つ。演劇祭から独立したオリジナル神楽は地域の恒例行事に

―ここまでお話を伺って、フリンジへの応募がアーティストやカンパニーにとって新たな創造発信の契機となる意義深さを感じたのですが、団体のその後の発展において印象的だったエピソードなどはありますか?

松岡:松原俊太郎/小野彩加 中澤陽 スペースノットブランクの『魔法使いの弟子たちの美しくて馬鹿げたシナリオ』は、2025年にディレクターズプログラムとして上演されたのですが、過去には数回フリンジにも参加して下さっていました。

松岡:そうしたステップアップの例は他にもあり、今では600人を越える観客を動員する人気シリーズとなった小菅紘史×中川裕貴の『山月記』も、初年度はフリンジで上演されました。会場が城崎の温泉寺薬師堂だったのですが、予想以上の観客で賑わい、「自分がプロデューサーになったら絶対お呼びしたい」と思い、すぐにお声がけをしました。

―ステップアップの他の例としては、どんなパターンがあるのでしょう?

松岡:演劇祭の中で作品が育ち、長く続いているのが烏丸ストロークロックという京都の劇団が地域住民とコラボレーションした『但東さいさい』という作品です。初年度からフィールドワークを続け、それが一つの形になったのが2022年の上演でした。

松岡:但東の農村歌舞伎舞台を活かして、地元の民話をもとに子どもたちとオリジナルの神楽を作るという試みだったのですが、年を重ねるごとに作品が地域に根差していき、恒例行事のような趣が醸成されていきました。2025年からは「但東さいさい実行委員会」なるものが地元に発足され、演劇祭から独立するまでに至りました(笑)。これはとてもすごいことで、今後何かしらの事情で『豊岡演劇祭』がなくなってしまったとしても、地元の子どもたちの中で『但東さいさい』が引き継がれていくかもしれないし、僕たちが目撃している地域のお祭りのように残っていくかもしれない。ローカルに始めたことが歴史軸に名前を刻んでいくという、稀有なアプローチをしているのではないかなと感じます。

もう一つの有難い例としては、毎年参加して下さるアーティストが存在すること。ヌトミックの額田大志さんはスタッフとして参加して下さった初年度以降、ディレクターズプログラムとしても上演していただきましたし、その後にフリンジで上演するという異例の形で参加もされました。額田さんは平田オリザを除けば唯一の皆勤賞アーティストなんですよ(笑)。そうした形でアーティストと豊かな繋がりが続くことも喜ばしいことだと感じます。

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