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開局以来変わらない、新しいカルチャーの「入り口」としての矜持

ー今回のポッキーとのコラボレーションは、J-WAVEと音楽の強い結びつきがあるからこそ成立した企画だと思います。ラジオと音楽を巡る環境はどんどん変化していますが、現在のJ-WAVEとしての音楽に対するスタンスを教えてください。
朝倉:J-WAVEは開局当初から音楽を大事にしてきた放送局です。それは「曲をたくさん流すから」というよりも、新しいカルチャーの入口になり得るものとして音楽を捉えていたということ。そういう意味では、必ずしも音楽でなくてもよかったのかもしれませんが、時代的に一番世相を映すのが音楽だったんだと思います。時代とともにその価値や意味合いは変わってきているのかもしれませんが、開局当初の思いやアティテュードはいまだに引き継がれています。
ラジオで全てを表現することはできません。映像はありませんし、映画のように作り込むこともできない。情報が少ない分、リスナーに能動的に関わってもらうことで完結するんです。ポジティブな意味でトリガー(引き金)になるメディアなんですよね。その中で、音楽がトリガーの1つになっているんです。ラジオでかける1曲1曲もそうですし、流れを持って聴くことで引き金になることもある。リスナーの方々の生活に寄り添っていることが本質的に重要なんだと思います。

ー確かに、ラジオをテレビのようにザッピングしながら聴取するリスナーは少ないですよね。1つの放送局を流しっぱなしにしながら「この番組の時間だからお昼ご飯にしよう」というように、ライフスタイルに密着していることが多いというか。
朝倉:radikoが登場する以前に調べたデータによると、ラジオリスナー全体の中で1つの局しか聴かない人が50%、2局聴く人を加えると80%という資料がありました。そう考えると、やはりライフスタイルのBGMになることがラジオ放送局の第一義的な役割なんじゃないかと。

朝倉:J-WAVEは音楽が流れている割合が多いことで、他の放送局よりもその役割を担う部分が大きいのかなと思っています。その中で、気づきや発見を感じていただけているならすごくありがたいです。そうするために、ディレクターは日々細部にまで気を配りながら番組制作にあたっています。例えば、「この曲の次にあの曲を流すなら、ジングルを挟まないとキーが合わない」とか。楽曲が食材だとしたら、ディレクターは料理人ですね。
ーそうやって繊細に選曲、放送することでストーリーを作り、リスナーの生活を彩っていくと。
朝倉:これはトークにも通じることなんです。ナビゲーター(※)の方によくお願いするのは「物事に補助線を引くようなトークや選曲を心がけてください」ということ。これがあると、リスナーの方の新しい発見に繋がります。
※J-WAVEは番組の司会進行役を「パーソナリティ」や「DJ」ではなく、独自の呼び方として「ナビゲーター」と呼ぶ
朝倉:ずっと昔から知っている曲でも、全然違って聴こえる。全員がそれに気が付かなくてもいいんです。そのままでも十分に美しい音楽なので。しかし、こういった発見があることで、CDやストリーミングで聴くのとは違った体験になるはずです。
