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なぜ公正取引委員会は芸能界の調査に乗り出した? その背景と新指針を解説

2026.2.16

#OTHER

「自分に合ったマネージメントを受けられたら、もっと開花する才能があるかもしれない」(森崎)

─調査を通して、芸能界の商慣習について何か感じられたことはありますか?

片岡:今回は、全国の芸能事務所にアンケートをお配りし、その後、実演家や芸能事務所、放送局やレコード会社などの関係者95名にかなり集中的に、大体1件1〜2時間かけてヒアリング調査もさせていただきました。

図版作成:ヨシオカマイコ / 出典:公正取引委員会「実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針【概要】」

片岡:ヒアリングを通して感じたのは、芸能と一口で言ってもさまざまな形態があるということです。今回ヒアリングをしたのは、比較的昭和のテレビが盛んになってきた時代に立ち上がって大きくなったとされる伝統的な、いわゆる「日本型プロダクション(※)」が中心でしたが、そういうところはスカウトをしてきたタレントさんを育成して、マネージャーと二人三脚で頑張っていく場合が多いです。一方、俳優さんに多かったと思いますが、個人でスキルを磨いて、事務所に所属するけれども事務所もそれほど干渉はしないというところもありました。また、タレントさんと事務所の力関係もさまざまだったなと思います。

※日本型プロダクション:芸能事務所がタレントの発掘から育成、売り出しまでの全工程をマネジメントし、多額の投資とリスクを引き受ける日本独自のビジネスモデル。アーティスト自身が専門スタッフを雇い投資を行うアメリカに対し、日本では事務所が「親」のような役割で活動の基盤を整える傾向がある。

森崎:おっしゃる通りで日本の芸能界の場合、それぞれの事務所が自由な育成方法をとっています。私自身もごく家庭的な事務所で育てられ、その後は「好きにやっていいから」と放任主義だったエージェントのスタイルの事務所に所属したこともありました。ただ、それは入ってみないとわからないところがあります。特に若い方を見ていると、入ってからこんなはずじゃなかったとか、自分に合わなかったということがあり、みなさん人間関係を大切にしているので、もう次はそう簡単に移れないと悩んでいます。表現者にはその時々にしかできないパフォーミングがあるので、タイミングよく自分に合ったマネージメントを受けられたら、もっと開花する才能があるのではないかと思います。

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