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中国生まれ日本育ちのSSW・Gen Kakonインタビュー 音楽を武器に「架け橋」を目指す理由

2026.1.23

Gen Kakon

#PR #MUSIC

リアルな体験も全て自分の「アイデンティティ」として表現する

―では、2025年に出たインディーズ3部作第2弾の“Boy, Don’t Cry”は、どんなきっかけで生まれた曲だったんですか?

Gen:この曲は……(笑)。女性の友達がいるんですけど、初対面で「あ、Genちゃん」って感じでハグされたんです。初めてなのにハグされたので、戸惑って、そのあとちょっとキュンとして(笑)。

―ははは(笑)。

Gen:そこから、1番の<君にやっと会えた 僕にハグしてくれた>という歌詞が生まれたんです。“Boy, Don’t Cry”という曲のタイトルは、芸人を目指している大学生の後輩に、説教というか、ちょっと厳しいことを言っちゃったことがあって。僕は相手のためだと思って言ったんですけど、今思えば、当時は自分のことしか考えていなかったんだろうなと思います。

Gen:あとでその場にいた人から聞いたんですけど、その後輩がずっと天井見てるから「なによそ見してるんだよ」とか言ってたんですよ。でも、実は泣いてたって知って、本当に申し訳ないことをしてしまったと思ったんです。彼は傷ついていたんだなと思って。そういうところから、このタイトルが生まれたんです。

―さっきの暴走族の話もそうですけど、本当にパーソナルな体験から曲が生まれているんですね。では、3部作の最後を飾った“Why am I doing (what I’m doing)”は、Genさんにとってどんなものが刻まれた曲と言えますか?

Gen:この曲は、人生で3曲目に作った曲なんです。1曲目は、さっき言った専門学校のコンテストで優勝した曲で、2曲目はインストっぽい曲で、“Why am I doing (what I’m doing)”は、初めて日本語というものを強く意識して書いた曲ですね。

Gen:歌詞には<朝の4時まで Trying>とか<深夜の2時に I’m crying>と書きましたけど、当時、バイトをして、家に帰ってからパソコンに向かって作曲をするっていうことの繰り返しの日々が、そのまま出ているなと思います。

当時は、「なんで、自分はこんなに一生懸命やっているんだ?」という思いがあったんですよね。お金もないし、最初は好きでやっていたけど、やっていくにつれて分からなくなってしまったりして。

―では、リリース順では最新曲だけど、3部作の中では一番古い曲なんですね。

Gen:そうなんです。

―この曲の歌詞は、歌い出しの<「携帯」「メディア」「アート」「言葉」>というラインにしても、言葉の扱いもとてもオリジナリティのあるものですよね。きっと、初めて日本語の歌詞に深く向き合ったからこそ生まれた歌詞なのだと思いますが。

Gen:そうですね。今だったらこうは書けないっていう歌詞だなと思います。「携帯」や「メディア」、「アート」……こういう部分は、現代社会で夢を追いかけるうえで絶対に直面する要素を書こうと思ったんです。それらを、自分がどう捉えるか。結局、自分の捉え方次第だなと思うんです。

―<愛とタバコ その子に嘘を>というラインも、様々な情景を想像させますね。

Gen:ここは、いろんな解釈ができると思うんです。家庭のことにも思える。子どもが夢を見るには、大人の育て方も大事だと僕は思っていて。僕は、自分はあまり育ちがよくないと思っているんです。どちらかというと、放置されていたというか。

Gen:この曲を書いていた当時は、「なんで俺は日本に来たんだろう?」と思っていたんですよね。日本語も中国語もどっちも中途半端だし、「俺は何者なんだ?」って、混乱していた時期だったんだと思います。この<愛とタバコ その子に嘘を>という部分については、説明するのは難しいんですけど、画は浮かぶんです。

親が喧嘩をしたあと、お母さんがタバコを吸っていて、子どもがうずくまっている。<その子>って、どの子でもいいんです。きっとみんな、自分の夢が形成される前の頃を思い返したときに、通じる経験はあるんじゃないかと思います。

―“Why am I doing (what I’m doing)”は、今のGenさんにとっても大事な曲であり続けていますか?

Gen:そうですね。歌詞で<僕の気持ちは意味深>という部分に対して、「日本語として間違ってるよ」という指摘を受けたこともあって。「意味深」って、言葉や行動の裏に、別の深い意味や意図が隠されている様子を表す時に使うのであって、気持ちという内面のことには使わないよって。でも伝えたいことは通じると思うし、これは当時の自分が生み出した日本語の歌詞として、そのアイデンティティは大事にしたいなと思います。この作品はこの作品として、大切なものですね。

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