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「どんなことにも両面性があるし、両面以上のものがあるかもしれない」
―さっき“愛と哀の共同体”は仲間たちと作ったと言っていましたけど、実際、どんなふうに制作されたんですか?
Gen:ミュージックビデオの監督さんは、当時バイトをしていたバーで知り合ったカメラマンさんなんです。あとアレンジャーの釣(俊輔)さんも、家の近くにある、みんなでよく集まるお店で出会いました。
僕にはそこまでお金がなかったんですけど、アレンジやミュージックビデオを作る費用は、みんなが集まるお店のオーナーでもある、お世話になっている先輩が「出資してやるよ」と言ってくれて。
―本当に、Genさんの周りにある身近なコミュニティから生まれた曲なんですね。“愛と哀の共同体”は、Genさんにとってどんなことを歌おうとした歌なのだと感じていますか?
Gen:人間についての歌だし、社会についての歌だと思います。歌詞にもあるけど、みんなが<不器用なGood guy>なんだっていう。一見、「愛」はポジティブなように見えるし、「哀」はネガティブなように見えるかもしれないけど、愛は裏返せば恨みにもなるし、哀は時間が経つとラブに見えることもあるかもしれない。どんなことにも両面性があるし、両面以上のものがあるかもしれない。みんな、人間味に溢れているんだって。そういう歌だと思います。
―この曲を作ったときに、そういうことを歌いたいと思ったきっかけがあったんですか?

Gen:ありました。当時、大阪に住んでいたんですけど、毎日、家の前を通る暴走族がいたんですよ。ブンブンブンブン毎日通るんですね。「うるさいなあ」と思ってて。でも、ある日、その暴走族が来なかったんです。
そのとき、自分でも意外だったんですけど、「寂しい」と思ったんです(笑)。「何かあったのかな?」とか、心配しちゃったんですよね。それで歌詞に、<深夜に競争する暴走族から希望を与えられる>ってあるんですけど(笑)。
―なるほど(笑)。この部分は完全に実話だったんですね。
Gen:いつも「うるさいなあ」と思っていたのに、「俺、彼らのことが好きかもしれない」と思って(笑)。そういうところから、何事もすぐにカッとならずに、器を大きくして受け止められればいいなと思って。
―ちなみに、“愛と哀の共同体”はサウンド的にはメロウで、Genさんが最初にやっていたラウドロック的な部分は表面的には感じないですよね。エモーショナルである、という点では深い部分で繋がっている気もするんですけど。シンガーソングライターとしての、Genさんの音楽的な指向性ってどういったものなんだと、ご自分では思っていますか?
Gen:基本、音楽はなんでも好きなんです。中国にいた頃から家に帰ったら絶対に音楽を聴いているような生活だったし。今、曲のストックはたくさんあるんですけど、その中にはロックな曲もあるし、オルタナな曲もあったりして。

Gen:今年出した曲は割とシンプルになっている曲が多いと思うんですけど、今はまだ、自分の一部しか見せていないような感覚もあるんですよね。これからはもっとJ-POP要素も意識していきたいなと思っていて。最近、よくJ-POPを聴くんです。
―ちなみに、最近好きなJ-POPはありますか?
Gen:昨日の夜はずっとKANを聴いてました。Apple Musicで出会ったんですけど、いいなあと思って。
―KANさん、いいですよね。
Gen:はい。音楽を楽しんでいる感じがすごく伝わってきます。