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柴咲コウ×川口春奈が語る、正義の多義性。ゴシップや週刊誌という存在の複雑さ

2025.12.19

#MOVIE

SNSが活発になって、今まで拾われてこなかった声が見えるようになってきた(柴咲)

—ドラマでは、スキャンダルの裏側にあるタレントと事務所の絆も描かれています。こうした関係性の描写に、リアルだと感じる部分はありましたか?

柴咲:絆って、意識して築かれていくものもあれば、相性のようなものもありますよね。学校で信頼できる先生に出会えた人もいれば、どこか疎外感を覚えた人もいるように、運命としか言えない部分もある。私自身は、最初の事務所で見いだしてくださった方には、今でも深く恩を感じています。独立した現在も連絡を取り合っていますし、あの時に素晴らしい育ての親に出会えたことは、私にとって本当に大きな財産だと思っています。

川口:マネージャーさんって、ある意味運命共同体ですよね。同じ熱量で仕事に向き合いたいし、対等でいたい。コミュニケーションを重ねながら信頼関係を築いていくことが理想だと思っています。その点で、咲はまさに理想のマネージャー。タレントへの愛情も情熱もあって、ああいう存在に支えられたら心強いですよね。

柴咲:それでいて、全然うっとうしくないのがいいですよね。タレントが焦っているときに「大丈夫だから」って声をかけてくれるのも、本当に救われる。「大丈夫」って、心をふっと落ち着かせてくれる魔法の言葉だと思うんです。

—タレントとマネージャーの関係は、一般の我々にはほとんど見えない領域ですよね。本作では、その密度の高い裏側が少しだけ覗けるのが興味深いと感じました。劇中には「古い芸能界のシステムが生んだ価値観と、新しい価値観の狭間にいる」という印象的なセリフもあります。お二人は実際にこの世界で仕事を続けてきて、いま業界が抱える揺らぎや変化をどのように感じていますか?

柴咲:テレビ局とプロダクションのあいだには、いろんなリレーションシップがありますし、全部をクリーンにさらけ出すことがイコール善、というわけではないと思うんです。でも、その業界なりの風通しのよさは必要ですよね。SNSが活発になって、今まで拾われてこなかった声が見えるようになってきた、というのはあるのかもしれません。私自身、昔から「風通しをよくしてください」と言い続けてきましたし、売れていない頃から、嫌なことにはちゃんと「嫌だ!」と伝えてきました。そうやって積み重ねてきたものが、今につながっているのかなと思います。

川口:業界全体のことを語るのは難しいんですけど、私個人の感覚でいうと、昔と比べて「個」が強くなってきたというか、意見がきちんと尊重される場面が増えているようには感じています。

芸能事務所社長・井岡咲(柴咲コウ) / 『スキャンダルイブ』場面写真 

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