メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

2025年の『紅白歌合戦』で注目したい7組のアーティスト

2025.12.29

#MUSIC

『紅白歌合戦』は、とても特異なメディアイベントだ。

年末には連日のように大型音楽特番が放送され、30日(火)には『第67回 輝く!日本レコード大賞』も控えている。だが、やはり『紅白』が持つ影響力は別格だ。『紅白』は、単なる大型音楽番組というよりも、「ヒット曲を通して1年のエンタメやポップカルチャーを振り返る」番組として受け入れられている。普段ポップカルチャーを追っていない人たちにも、音楽やエンタメの流行を知らしめるような構成と演出がなされている。そして、単なる「大みそかの恒例行事」というだけでなく、全世代を巻き込む「バズの発生装置」となっている。

いまやポップカルチャーは「推し」文化と密接に結びついている。それぞれのファンダムにとって、『紅白』は自らの応援するアーティストが「世間に見つかる」ための大事な場としても捉えられている。そして、近年ではすでに音楽シーンでは熱い支持を集めていたアーティストの楽曲が『紅白』を起点にさらなるロングヒットにつながる例は少なくない。

では、今年はどんなアーティストが『紅白』の出演をさらなる飛躍につなげるのか。そうした観点から注目の楽曲を見ていきたい。

HANA、FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE……女性グループの躍進

まず筆頭に挙げられるのはHANAだろう。オーディションプロジェクト『No No Girls』から誕生した7人組ガールズグループ。今年4月のメジャーデビューから目覚ましい活躍を見せ、2025年最大のブレイクとなった。

その背景にあるのは、プロデューサーであるちゃんみながオーディション時から打ち出してきた強烈なメッセージだ。「ルッキズムにとらわれない多様な個性の肯定」や「実力主義のパフォーマンス」を掲げるそのコンセプトが、新しい時代の価値観として大きな共感を集めた。ちゃんみな自身も『紅白』に初出場。ガールズグループだけでなく、そのビジョンを示す女性プロデューサーがアーティストとしても活躍し、揃って『紅白』に初出場する。それは「女性がリーダーシップを担う時代になった日本」という意味でも2025年を象徴するトピックとも言える。

FRUITS ZIPPERとCANDY TUNEにも注目だ。アソビシステムによるアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.(カワイイラボ)」に所属する2組。こちらも女性プロデューサーが手掛けるアイドルグループだ。元アイドルの木村ミサがプロデュースを担当し、両グループともに、過去に別のグループでアイドル活動を行っていた「アイドル経験者」が在籍しており、再挑戦の場としての側面もある。

FRUITS ZIPPERの”わたしの一番かわいいところ”は2022年リリース、2023年にはTikTok発の現象が大きく注目を集めていたので『紅白』にはようやくの初出場と言える。妹分グループのCANDY TUNEは2024年リリースの”倍倍FIGHT!”が同じく今年TikTokからバイラルヒットした。

”倍倍FIGHT!”の作詞作曲は、パンクバンドWiennersのボーカル&ギターである玉屋2060%が手掛けている。楽曲制作にあたっては、メンバーとの長時間の打ち合わせを踏まえ、その等身大の姿を落とし込んで作られたという。FRUITS ZIPPERの”はちゃめちゃわちゃライフ!”なども手掛ける玉屋は、KAWAII LAB.プロジェクト全体のキーマンとも言えるクリエイターだ。パンクやハードコアをルーツに持つ彼の奇想天外でハイテンションな作家性。それが「自己肯定感」をキーワードとする2020年代アイドルシーンの潮流と化学反応を起こし、同世代の女性ファン層を拡大させたとも言える。『紅白』の大舞台は、その特異な作家性がお茶の間にどう響くかを目撃する場でもある。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS