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蓮沼執太が「時代の申し子」たる所以。21世紀の音楽の停滞、その後を佐々木敦と語る

2025.11.19

#MUSIC

ポップミュージックを視界に入れた『POP OOGA』という最初の分岐点

―蓮沼さんのキャリアにおいて、2008年に歌を入れた作品を作ったのは大きな分岐点のように思います。

蓮沼:この作品はもう1年ぐらい毎日向き合って作っていたんで、今思うとそんなアルバムないですよね。佐々木さんに「今までやってきたことを全部出せ」みたいに言われたのを覚えてます。当時はCD-Rに音源を焼いてたんですけど、たまにHEADZのイベントに遊び行ったときに「デモなんですけど」って渡して、「返事来るかなー」みたいな(笑)。

佐々木:蓮沼君が最初に事務所に来たときも、HEADZで出したいから来たわけじゃなかったよね。

蓮沼:そうです、そうです。

佐々木:でも思い出してみると、僕には「これはレーベルの戦力になるんじゃないか」って意識がやっぱりあった。

―2008年の9月に『POP OOGA』が出て、2008年の11月に蓮沼執太チームが結成されます。

蓮沼:その前にレコ発で「チーム ポップ オーガ」っていう編成でやったんです。リリースが近かったから、ASUNAの嵐(直之)君とかキノピー(木下美紗都)にも出てもらって。バーチー(蓮沼執太フィルのメンバーの千葉広樹)もいたし、植野さん(テニスコーツの植野隆司)とかもいた気がします。

―バンド編成を提案されたのは佐々木さんだったそうですね。

佐々木:詳しくは覚えてないけど、レコ発をやるならラップトップでやるよりやっぱりライブっぽいことがあったほうがいいよね、って話でした。まあ言ってしまえば、こっちは無理難題を言ってるだけというか。バンド編成とか、フィルのような大編成でやってみたら、って言ってみると、本当にそれを実現してしまう。蓮沼君にはそういう才能と馬力があるなと思いますね。そもそもフィルより先にチームがあるんだもんね。

蓮沼:そうです。チームを母体にして、その拡張としてフィルに発展させていったので。

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