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絶対に終電を逃さない女インタビュー 健康な人にこそ知ってほしい、虚弱体質のこと

2025.11.7

#BOOK

虚弱な暮らしと福祉制度

ー本の中でも書かれていましたが、終電さんは色々な福祉制度を活用されて生活されていると思います。そういった情報にたどり着くまでもかなりリサーチが必要だったかと思うのですが、どのように制度を見つけてきましたか?

終電:22歳のときに場面緘黙症で障害者手帳を取って、その後診断名がASDに変わった(※)んですが、役所で初めて手帳を受け取ったときに自立支援医療制度というものがあるというのを説明されて知ったんです。障害者手帳と自立支援医療制度って、診断書1枚で同時に申請できるし、診断書を発行してもらうのもお金がかかるので、本当は同時に申請したほうがいいんですよ。私はそれを知らずに障害者手帳だけ先に申請しちゃったんですが、そういうことを誰も事前に説明してくれなかったんですよね。そのときに、福祉って自分で調べないといけないようになっているんだっていうのを知って、それからは厚生労働省や自治体のサイトの福祉のページを隅々まで見ていますね。

※ASDと虚弱がどのように関係するのかは、『虚弱に生きる』第三章で詳述されている。

ー福祉制度ってけっこうあるのに、能動的に調べないと知らないことばかりだったりしますよね。今は公営住宅に住まれているそうですが、それも福祉について調べていく中で知ったんですか?

終電:そうですね。自治体のサイトに載っていたりしますし、役所にも募集の紙が置いてありました。倍率がすごく高いので、どの地域なら穴場なのか等も色々と調べました。

ーそれを調べるのにもけっこう体力を使いますよね?

終電:時間はめちゃくちゃかかりました。

ー今の一人暮らしが成立するまでに、どれぐらい時間がかかりましたか?

終電:今でも、成立していると言えるのかな……って思うんですよね。本にも書いたんですが、ここ1年近く、居宅介護という福祉制度を使って、軽い掃除をしてもらっているんです。大学生の頃は家事が何もできなくて、当時はそういうことが苦手なんだと思っていたんですが、多分単純にキャパオーバーだったんじゃないかと思うんですよね。今は本当にちょっとずつ自炊を始めたり、片付けもできるようになったりしていますし、より生活を良くするための家具を揃えたりもしています。まだ完成したとは言えないんですが、自分の家以外に泊まるのが嫌だな、と思える程度には自分にとっていい家にはなってきています。

ー自分のキャパを超えているなと感じる部分は、福祉制度を使っていらっしゃるのがすごくいいなと思いましたし、この本を読むまでそういう制度があるのを知らなかったので、困っている人にとって、この本は福祉制度を知る入口にもなるんじゃないかなと思いました。

終電:そうですね。公営住宅とかも知らない人はいると思うので、そうなるといいなと思います。

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