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自然体で挑むソロ初のツアー
―僕は東京の生活が長くなるにつれ、音楽以外の観劇や美術館など、東京っぽいものに年々触れるようになりました。単純に「好きだから」ということに加え、知らない場所に一度出てみるということの最小単位での実践だと思っています。橋本さんは、音楽以外の趣味に打ち込む時、どのように向き合っていますか?

橋本:美術館には昔からよく行くんですが、なんでこんなに行くんだろうって考えると、20代の頃は「何かを吸収したい」という気持ちが一番大きかった。映画を観るのも、人に会うのも、結局は全部アウトプット。音楽につなげるためという感覚が強かったです。
最近は「勇気をもらいに行く」っていう意識のほうが強いかもしれない。作品そのものからエネルギーをもらうこともあるし、美術館に行くと、その作家がどんな時代に、どんな気持ちで作品を作っていたのかが伝わってきて、自分と重ねる瞬間があるんですよ。「この人も当時は悩んでたけど、こうやって作品に変換していったんだ」とか、「この年齢でこういう境地にたどり着いたんだな」とか。そういうのを見ると、未来を少し明るく捉えられる気がするんですよ。
この前行った武者小路実篤の展示でも同じような感覚になりました。作家として名を残しながらも、晩年は本当に趣味のように絵を描いた人なんですが、絵にすごく人柄がにじみ出ている。そういう姿を見ると、「ああ、こういう年の取り方もあるんだ」と勇気をもらえるんですよね。

―先日の自主企画のライブで、2026年からの独立を発表されました。上京してからのUK.PROJECT期に区切りをつけ、また新たなチャプターが始まるのかと思います。ソロとしてもツアーを控えていますが、どんなものになりそうですか?
橋本:初めてソロで臨むツアーなので、自分がプレイヤーとしてどこまでできるのかを試す修行でもありますが、お客さん一人ひとりとしっかりコミュニケーションできる距離感でやりたい気持ちも強いです。
僕はシャイなので、バンドではヘルシンキのボーカルとして無意識に演じていた部分がどうしてもあって。それに対してどこか違和感もあったんですが、完全に素の状態で表に立つことは不可能なんじゃないかと思うようになって。むしろバンドではある種ボーカルとしての仮面をつけることも厭わない自分でありたいと思ったし、だからこそ、ソロのツアーでは飾らずに、自分に一番近い状態でステージに立ちたい。まずはやり切って、ゆっくりいろんな形に広げていければいいなと。自分にできること、できないことを見極めながら進んでいく中で、人との距離感や新しい出会いが生まれたら嬉しいですね。
橋本薫『日記』

発売日:2025年9月24日(水)
形態:5曲入りEP
仕様:12cmCD
価格:CD 1,980円(税込)
品番:HAMZ-035
JAN:4514306024654
レーベル:Hamsterdam Records / UK.PROJECT
配信リンク: https://helsinkilambdaclub.lnk.to/adiaryst
<収録曲>
1 生活の報告
2 君を待つ
3 フルーツ食べたい
4 Setagaya
5 茗荷谷
橋本薫 弾き語りワンマンツアー「眠眠」

2026/1/24 静岡 本と音楽の店つぐみ
open/start 15:30/16:00
ADV:¥3800+1D
https://tiget.net/events/441482
2026/1/31 名古屋 Sunset Blue
open/start 17:30/18:00
ADV:¥3800+1D
https://tiget.net/events/441484
2026/2/1 大阪 雲州堂
open/start 17:30/18:00
ADV:¥3800+1D
https://tiget.net/events/441485
2026/2/8 仙台 チキポト
open/start 17:30/18:00
ADV:¥3800+1D
https://tiget.net/events/441486
2026/2/15 上野 YUKUIDO工房
open/start 16:30/17:00
ADV:¥3800+1D
https://tiget.net/events/441487