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書店店長ながら『本屋なんか好きじゃなかった』を執筆した日野剛広インタビュー

2023.7.25

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

7月4日は、本と漫画をこよなく愛すサラリーマン漫画家の大石トロンボさんからの紹介で、ときわ書房志津ステーションビル店・店長の日野剛広さんが登場。今年5月に出版したエッセイの執筆のきっかけ、本よりも好きなものについて伺いました。

本屋なんか好きじゃなかった

Celeina(MC):まずはプロフィールを簡単にご紹介させていただきます。日野剛広さんは1993年に有限会社常盤書房に入社。2013年より常盤書房志津ステーションビル店の店長を務められ、書店員歴は今年で丸30年を迎えられました。

タカノ(MC):そして日野さんは書店員でありながら今年5月に『本屋なんか好きじゃなかった』という書籍も出版されたんですよね。タイトルがすごく気になるんですけど。

日野:このタイトルは出版社の社長が付けてくれたんですけど。自分だともっと変なタイトルを付けると思うんですけど(笑)。

Celeina:どういった内容になっているんですか。

日野:文字通り本屋なんかそもそも好きじゃなかったんですよ。本が好きでなかったのにも関わらず、なぜか本屋に勤めることになってしまって。長年やってるうちに「なぜ本屋に勤めてるんだろう」っていう意味を考えるようになったんです。それを整理して書いたのがこの本ですね。

Celeina:この本の装画を大石さんが担当しているんですよね。

日野:そうなんです。そのご縁もあって紹介していただけたんだと思うんですけど。

タカノ:勝手なイメージですけど、書店員さんってみんな本屋さんが大好きなイメージだったので、タイトルに凄くパンチがありますよね。今は本屋さんは好きになりましたか?

日野:好きというとちょっとニュアンスが違うんですけど、天職だなと思うようにはなりました。

タカノ:どういうタイミングで気持ちに変化があったんですか?

日野:東日本大震災があってから世の中も悪くなっていって、さらに言ってしまえば書店も非常に厳しくなってきているんですよね。そんな中で自分も40歳を過ぎて「これからどうするんだろう」「何のために本屋になったんだろう」っていうことを考えるようになって。きっかけがあったというよりは、漠然と自分の身の振り方も含めて考えることが多くなりましたね。

本と人が出会う場所を作りたい

Celeina:店長を務められているときわ書房志津ステーションビル店はどんなお店なんですか? こだわっているポイントなどはありますか?

日野:駅からビルまでが直結していて。本来であれば普通の駅前の本屋みたいな感じなんでしょうけど、品揃えには若干こだわってるところはあります。話題の書籍はもちろん揃えつつ、埋もれてしまいがちな面白い本や、人々の心に刺さるような本を選んで前面に出すということを心がけています。「読者と本の出会いの場を作らないと」っていう思いがあるので。

Celeina:本をセレクトするときって、日野さんご自身が内容まで確認されているんですか?

日野:さすがに全部は読めないんですけど、タイトルや著者を調べたり、そこからSNSを探してこれ面白そうじゃんとか、これは絶対に置くべきだろうっていう本を自分なりにセレクトして置いてます。その辺は感覚的にやっていますね。

Celeina:感覚で選べるっていうのはまさに天職ですね。

タカノ:日野さんおすすめの新刊はありますか?

日野:8月にブレイディみかこさんの『リスペクト』っていう新刊が出るんですよ。僕はブレイディみかこさんが大好きで。この小説は2014年にロンドンで起きた、住処を失った女性の人たちが蜂起して住宅を占拠するという事件をモデルにした小説なんです。どうして日本人がほとんど知らないものを題材にしたかと言ったら、ブレイディさんが読者に知ってほしいと思ってるからであって。ものすごく意義がある内容だと思いますので、ぜひ読んでほしいですね。

Celeina:それではここで1曲お送りしましょう。日野さんにこの時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらったんですが、どんな曲でしょうか?

日野:アレサ・フランクリンの“Respect”です。まさにブレイディさんの小説もこの曲にインスパイアされて書かれているので。この時間には渋い選曲かもしれませんけど。

本よりも好きなもの

Celeina:日野さんのお仕事以外で好きなことってありますか?

日野:僕は本よりも音楽がずっと好きで。最近はなかなか行けなくなりましたけどロックフェスもよく行ってました。『フジロック』は第1回目から行ってて、あの嵐を経験しました(笑)。

Celeina:実はこの番組が『フジロック』のオフィシャルプログラムとして動いておりまして。

タカノ:証言者としてお呼びしたいです(笑)。

日野:帰りはシャトルバスも止まってしまって、5時間ぐらいかけて山を下りたんですよ。それから始発に乗って仮眠をとって午後から仕事をしてました。今はそんなことできないですね(笑)。

タカノ:最近はフェスに行かれますか?

日野:余裕がなくなったのと体力的にもきつくなってきたっていうのは正直あるんですよ。40代前半ぐらいまではもう毎年行ってましたけど、今はほとんど行かなくなっちゃいましたね。

Celeina:でも音楽フェスも今は配信で見れたりもしますからね、おうちでも楽しむ形もありますよね。

日野:そうですけどね、やっぱり生で見るのには敵わないですね。

Celeina:今月、ときわ書房志津ステーションビル店でイベントも行われると聞いたんですが。

日野:7月22日(土)に『志津スモールBookフェス』というイベントをやるんです。ブックフェスティバルっていう、出版社がブースを並べて販売するイベントがあるんですけど、その縮小版をお店でやるんですね。今回も4社呼んでまして。大石トロンボさんもいらっしゃるし、マル秘ゲストもいらっしゃるので是非遊びに来てくださればと思います。

Celeina:さあ「FIST BUMP」グータッチで繋ぐ友達の輪ということでお友達はご紹介してもらってるんですが、日野さんがご紹介してくださるのはどんな方でしょうか?

日野:谷中で手作りブックカバーを作って販売している「旅するミシン店」の店長・植木ななせさんです。ブックカバーのかわいいイラストもご本人が描かれているんです。

Celeina:植木さんを一言で表すなら?

日野:このブックカバーに描かれているキャラクターと同様に可愛くてほんわかとした人ではあるんですけど、芯は強い人ですね。

タカノ:楽しみですね。明日はイラストレーターで「旅するミシン店」の店主の植木ななせさんに繋ぎます。

Celeina:「FIST BUMP」今日はときわ書房志津ステーションビル店店長の日野剛広さんでした。ありがとうございました。

日野:ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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