INDEX
非人間的なコンセプトと、個人の実存感。両方を可能にする高いスキル
—いまファッションのお話もありましたが、XGの、そうした音楽以外のクリエイティブの部分についてはいかがですか?
泡沫:服装も、宇宙人に近いというかね。レディー・ガガとかもそういうところがありますけど、ジェンダーレスを超えて、いま人類を超えようとしているのかなという感じがしています。人間が考えるありきたりの線を超える、「これはきれいだったりかわいいものなのか?」というラインのギリギリを攻めているというか。それでいて、見ていて楽しかったり、美しかったりという線は守っているんですけど。
泡沫:それって、K-POPではできないことだと思うんですよ。はっきりと境目をつけない、と言うんですかね。「XGがやればもうそれがXGの曲」で、ジャンルは何をやってもいい。それはアイドル——って言っていいのかわからないですけど、アイドル的なグループの強みだと思っています。そういうアイドル的な良い部分もあるし、音楽的にもすごく突き詰めていて、両方満足できる。アメリカや韓国のグループは、ジャンルやジェンダーを固定したがるところがあるんですけど、XGはそこの曖昧さに日本的なものを感じます。そういう意味でオンリーワンだと感じましたね。
つやちゃん:自分たちを宇宙人って言ってるじゃないですか。そういった設定を置いているのは、J-POPでもK-POPでもないという意味ももちろんあるんですけど、それ以外にも、宇宙に飛ぶことで地球上のいまの社会を分類している国籍や人種、ジェンダーといったものから一旦距離を取るという効果もあると思うんです。そこには良い面・悪い面が両方あると思うんですけど、現状は、その視点で社会を切り取ることで生まれる面白さが、多くの人を魅了しているのかなと思います。
セメント:そうですね。XGのコンセプトには、あまりにも人間離れしすぎてついていけなくなるリスクもあると思うんですけれども、ただ、みんなの歌やダンスには、個々の人間としての実在感を感じさせるものがある。息づかいであったり、感情を、ものすごく感じさせるレベルに達してますよね。そういうところで実在感を担保している、担保できるだけのスキルがあるというのは、このコンセプトをやる上での強固な土台として重要だったんじゃないかなと思いました。土台がしっかりしてるからどこまでも飛べる、みたいな。
泡沫:まさに。