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XG、LNGSHOT、A$AP Rockyなど、1〜2月の注目新譜を音楽ライター3人が語る

2026.3.5

#MUSIC

ハイパーポップ×K-POPの混淆

—セメントTHINGさんのおすすめリリースタイトルはいかがですか?

セメント:僕は、アンダースコアーズ(underscores)の“Do It”という曲の、イヴ(Yves)が参加したリミックスです。アンダースコアーズはサンフランシスコ生まれのフィリピン系アメリカ人アーティストで、MilkfishというDJ名義もあるシンガーなんですけど、SoundCloudとかに音源を投稿して注目を集めた後に、2021年にデビューアルバム(『fishmonger』)をリリースしています。ハイパーポップ周りの人たち——ポーター・ロビンソン、ダニー・ブラウン、ジェーン・リムーバーとか、オーケールー(Oklou)とも一緒にやっていて、ハイパーポップからパンクっぽい曲まで、何でもやるジャンル分けが通用しない人です。その最新シングルの“Do It”という曲が、K-POPっぽいんですよね。

泡沫:へえ!

セメント:というのも、この人はめちゃくちゃK-POPから影響受けているんです。K-POPのリミックスも発表してるし、DJミックスにも第2世代〜第3世代あたりのK-POPを入れまくっています。あと、K-POPのファンエディットアカウントを運営してたんじゃないかって言われてるんですね。あくまで推測なんですけど。しかもそのファンエディットのアカウントの名前が、2ndgenbias(2nd gen bias)=第2世代贔屓って言うんですよ。

—すみません、ファンエディットとは何か、簡単に説明いただけますか。

セメント:例えばアイドルだったら「このメンバーの好きなところ集」とか、そういった動画をファンが自分で勝手に編集して公開する文化です。アンダースコアーズの場合は、K-POPのMVをたくさん集めて、「K-POPの曲作りにはこういう傾向がある」というのを発表してたらしいんですね。それってほとんどそのまま曲作りにつながるじゃないですか。それがこの人の音楽的な感性を育てたひとつなんだろうなと思ったんです。ピンクパンサレス(PinkPantheress)もそうですけど、K-POPに影響を受けてポップミュージックを作る世代がもう出てきたんだな、しかも、ピンクパンサレスもアンダースコアーズも、どちらもイヴとコラボするんだな、と。

セメント:イヴというのは、LOONA(日本名:今月の少女)というK-POPグループのメンバーとしてデビューした人で、いまはソロでやっているんですけど、ソロの作品がエレクトロニックミュージックとしての評価が高いんですね。そういう、K-POPを背景に持っている人たちが、またここで出会って、それがハイパーポップコミュニティからものすごく祝福されている。K-POPがポップミュージックの文法の中に入ってきて、インディの領域からもK-POPの文法を共有するものが出てくるという、良いフィードバックのループ、文化の変化の兆しを感じて、感慨深かったです。

泡沫:イダレ(=今月の少女 / LOONA)にいた子がそういうところに引っ張りだこというのは、すごくわかる気がします。韓国の人たちもよく把握できていないうちから、海外でそうやって広まりつつあるのは面白いですね。

セメント:イダレは元々海外のクィアなファンからの人気が高かったんで、ハイパーポップとの親和性は高かったんですけど、もうこんな未来になったのかと思いましたね。

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