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HANA、KATSEYE……2025年は「ジーンズ」に要注目?
キムラ:あと、ガールズグループでひとつ挙げるとしたら、HANAの“Blue Jeans”という曲。これはものすごく平成ノスタルジックな曲ですよね。倖田來未とか加藤ミリヤ、あるいは大塚愛とか浜崎あゆみ、1990年代から2000年代にかけてのavex、ユニバーサルあたりのJ-POPの空気感がものすごく内包されている。面白いなと思ったのは、終盤にかけてものすごいディストーションのかかったギターの音が入ってくるんですけど、これは『Donda』以降のカニエ・ウェストの音像ですよね。いまの時代のラップミュージックのサウンドとは何かというのをちゃんと見ていて、この音像を出してくるのが、冴えてるなと感じました。
風間:KATSEYEがGapの広告に出ていたのが、今年見たビデオの中でもトップクラスに好きなんですけど、それがHANAの“Blue Jeans”のジャケットとほぼ一緒といっていいぐらいのビジュアルイメージなんですよね。曲自体は“Milkshake”という、昔のものを再構築した形なんですけど、共振している部分があるというか。
キムラ:たしかにそうですね。あと、やっぱり「ジーンズ」というと、NewJeansを想起しますよね。NewJeans以降の「ジーンズ」にはいろいろな意味があるわけですし、もちろん遺伝子=geneともかけている。今年はアメリカン・イーグルのジーンズ広告の炎上もありましたね。
風間:たしかにそう考えたら、今年はジーンズをどう扱うかがめっちゃ大事だった年なのでは……。
—次回は下半期に開催されたライブや音楽イベントを中心に振り返っていこうと思います。引き続きよろしくお願いします。