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SNSは動物的な感覚がバグる
ー実際に対面で話すだけではなく、SNSだったり色々なコミュニケーションのレイヤーがあって、そこに一貫性が見出せなくてどうすればいいかわからなくなってる人も多んじゃないかと思うんです。会って話せば穏やかなのに、ネット上では攻撃性がギンギンになっている人もいますし。
宇多丸:なるほど。でも、SNSでギンギンになっちゃうみたいなことは、「人間ってそもそもそういうもん」というのが僕の持論です。例えば、人間誰しも相手によって接し方って変わるわけだから、人によって「自分」の見え方って、全然違うと思うんですよ。場によって性格が変わって見えるのは当たり前。
SNSは特に、そのシステムがそうさせる部分も大きいと思いますね。車に乗ったら人格が変わるというのに近くて、個室にいながら公に接している、というバランスが、自然界にはないものですから。猿から進化してきた僕らの動物的なコミュニケーションの感覚がバグるんでしょうね。

ー宇多丸さんはそれこそ音楽、ラジオ、執筆と様々なレイヤーで表現活動をされてますし、それぞれの現場で環境も違うと思うんですが、一貫して心がけていることはありますか?
宇多丸:その時その時で適切に行動しようとしているだけなので、あんまり考えてないですね。普通に礼儀が疎かにならないように気を付けてます。
ー『アフター6ジャンクション2』(TBSラジオ)を聞いていると、年下と接するときほど丁寧にされている印象があります。
宇多丸:基本的には誰に対しても敬語ですし、その人との距離感によりますね。あんまり「年下だから」という意識はないです。
ー「今の時代、年下に『お前』なんて言っちゃだめですよ」と話している人を見たことがあるんですが、そういう雑な括り方をしてるからめんどくさくなるんじゃないの? と思ったんですよね。
宇多丸:そうですね、やっぱり関係性によるから。でも、本当にどう思っているかはわからないところもあるんで、「仲が良いからいいんだ」とも言い切れないんだけど。それも含めて、一律に「そういうことは言っちゃだめ!」って話でもないし。そういうレベルのことも、もちろんありますよ。「ここでそんな性的な話します?」とか「そんなデリケートなこと聞きます?」とか。
僕の性格上、もともと他人に踏み込もうとしない質(たち)なんで。小さいクラブでわちゃわちゃやってた時から、みんなに敬語でしたからね。むしろ「よそよそしい」って言われてましたよ。すぐに距離を詰めてくるのがセクシーに映る人もいるんだけど、俺はそのキャラじゃないよなと。親にも敬語を使ってますし。