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映画『F1®/エフワン』レビュー カーレース映画史を塗り替える臨場感への音楽の貢献

2025.6.27

#MOVIE

Led Zeppelinからドージャ・キャットまで、本作を彩るポップミュージック

プロフェッショナリズムの貫徹ぶりは、当然サウンド面にも反映されている。『デューン 砂の惑星 PART2』等の大作を手掛けてきた音響技師ガレス・ジョンによって、フォーミュラ1カーの凄まじいエンジン音やシフト操作音、レース会場の熱気に溢れる様子などが臨場感溢れるサウンドとして再構築され、観るものを否応なしに興奮させる。

音楽の配置も見事だ。前作『トップガン マーヴェリック』がそうだったように、エピローグ部のLed Zeppelin“Whole Lotta Love”や、Queenの“We Will Rock You”、Ratt“Round and Round”、ビリー・スクワイア“The Stroke”等、大音量のハードロック〜オールドロック系名曲が画面を彩る他、ドン・トリバー feat. ドージャ・キャット、エド・シーラン、テイト・マクレー、バーナ・ボーイ、ティエスト & セクシー・レッド、レイ、ドム・ドーラ、ロゼ、オボンジャイアール、ロディ・リッチ、マイケ・タワーズ、マディソン・ビアー、ペギー・グー、ポウサ、ミスター・イージー、ダーコら、ジャンルや地域を超えた数多くのポップスターが新たに楽曲を寄せている。

これらのトラックが入れ代わり立ち代わり現れ、劇中の緊張感と爽快感を維持する役目を果たしていると同時に、上述の「ダッドロック」曲やクリス・ステイプルトンやゲイリー・クラークJr.らによる無骨なルーツロック曲と、各種の最新型エレクトロニックミュージックの対比が、ソニーとジョシュアの世代ギャップや価値観の違いを巧みに表しているのに気付く。また、西アフリカからの移民3世(と推察される)ジョシュアの文化的なルーツを示すように、ナイジェリアやガーナ等のアーティストの楽曲が目立っているのも興味深い点だし、さらにいえば、世界中のコースを旅するF1®というスポーツの特質を示すように、ラテン〜アジア圏にルーツを持つアーティストのトラックが複数選ばれているのも聴き逃がせない点だ。

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