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お互いのフィールドを守って暴れる
ーはじめてリリックを書いてみていかがでした?
うちだ:彼岸さんと話しながら進めたんですけど、すっごく褒めてくれるからどんどんアイディアを出せるんですよ。めっちゃやりやすいです。
祖父母 いつかなるドクロ
ドクロ 粉にして葬ろう
そして ひとりきり ホームアローン
お墓参りも 忘 れ ず に ☆
くろさわ:そうね、全部肯定してくれる。
うちだ:ちょっと逸れたらちゃんと本筋に戻してくれるし、すごいリーダーシップですよ!
彼岸:うれしいです(笑)。あれこれ言い過ぎちゃうと自分だけの曲になっちゃうから、足腰さんの色を強めに出してちょうどいいくらいだと思ってるんで。
うちだ:20歳でこんなふうになれます? 私だったら「自分が自分が」ってなっちゃうと思う。
彼岸:芸人さんとコラボできる経験なんて貴重ですし、足腰さんには自分にない視点を通して学びの機会にさせてもらってます。
うちだ:この子は伸びるよ! 喋ってるだけで頭がいいのはわかるじゃないですか。
ー芸人さんとミュージシャンが、それぞれの領域に土足で入らないように敬意を払っているのは、「今」のバラエティーらしさなのかなと。
うちだ:確かに。守るべきところを守って。
彼岸:守りつつ、「ここまではいけるな」とわかったら、その範囲で好きに暴れられるんで。もうけっこう派手に暴れてます(笑)。バチバチしてても意見が言いにくくなっちゃうけど、変に色が薄まるようなこともないですね。
ー彼岸さんご自身もラップをはじめてからそんなに経ってないんですよね?
彼岸:そうですね。ラップをはじめて2年くらい、自分の曲を作りはじめて1年半くらいです。

うちだ:えー!
彼岸:HIP HOPというカルチャーの上でラップという手法をやっているんですけど、HIP HOPは自分の生活に嘘をつかないとか、正直に自分のありのままを書くというのがベースにあるんです。その姿勢については、リスナーとしてHIP HOPをたくさん聴いていくうちに身についていたので、すぐ慣れましたね。
ーHIP HOPリスナーではない足腰げんき教室のお2人にその姿勢や方法論を伝えるのは難しくなかったですか?
彼岸:自分でなんとなくわかっていても、他人にちゃんと言語化して伝えられなきゃ本当には理解してないと思うんです。常に知らない人も納得させるくらいロジカルに考えておこうと思っているので、わりとわかりやすく伝えられたと思います。この機会に頭の中を整理できました。
くろさわ:最初から全部伝わりました。
うちだ:言葉にできないことも言語化できちゃう人なんですよね。自分が恥ずかしくなる……。
くろさわ:言葉にしたことをちゃんと自分でもやってるから、説得力があるんですよね。
