2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』の音楽を牛尾憲輔が担当することが発表された。
9月29日(月)より放送開始となる『ばけばけ』は小泉セツ、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルとし、明治の松江を舞台に、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描いた物語。外国人英語教師の家の住み込み女中として働き始めた主人公・松野トキを高石あかりが演じる。
また、牛尾の仕事にフォーカスした番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』が、8月25日(月)深夜に放送される。『ばけばけ』の楽曲制作の様子も確認することができるという。
牛尾、制作統括・橋爪國臣からはコメントも届いている。
ばけばけの音楽を担当させていただきます牛尾憲輔です。
牛尾憲輔
脚本のふじきさんが「何も起きない」と称された物語の音楽を作っています。
それは何も起きない、ただただ他愛もない時間のことかもしれません。
小さく繊細で、でも愛おしい、何気ない日々。
仰々しくもなく、華々しくもなく、鬱々ともしない音楽です。
なんとも肩の力の抜ける宣言で恐縮ですが、なんだか作曲がとても楽しいです。
是非一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。
牛尾さんの音楽は世界観を作る音楽だと思います。ドラマの映像に音楽を合わせた時に、圧倒的な没入感を感じました。『ばけばけ』という日常を紡いでいくストーリーの中で、繊細な音や質感が、登場人物のちょっとした感情のゆらぎをありありと描き出してくれます。作品に寄り添い、世界を広げてくれる音楽をいただけたと思っています。
音楽決定にあたって / 制作統括・橋爪國臣
先日、牛尾さんとともに松江を訪ねました。松江大橋、小泉八雲旧居、月照寺、洞光寺、宍道湖の夕日・・・とセツと八雲の足跡をたどり、その空気の中で、いろいろな音を録音していきました。そんな音やノイズも、劇伴の音楽の中に隠れて使われ、松江の息づかいを響かせています。
牛尾さんの音楽が、この物語を皆さんの心に深く、長く響かせてくれることを確信しています。
2025年度後期(大阪制作) 第113作 連続テレビ小説 『ばけばけ』
【放送予定】 2025年9月29日放送開始
[総合] 月~土 午前8時~ ※土曜は一週間の振り返り ほか
【作】 ふじきみつ彦
【主題歌】 ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
【出演】 髙石あかり トミー・バストウ / 吉沢亮 ほか
【スタッフ】
制作統括 : 橋爪國臣
プロデューサー : 田島彰洋 鈴木航 田中陽児 川野秀昭
演出 : 村橋直樹 泉並敬眞 松岡一史 小林直毅 小島東洋
物語
明治時代の松江。松野トキ(まつの・とき)は、怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子です。
松野家は上級士族の家系ですが、武士の時代が終わり、父が事業に乗り出すものの失敗。
とても貧しい暮らしをすることになってしまいます。世の中が目まぐるしく変わっていく中で、トキは時代に取り残されてしまった人々に囲まれて育ち、この生きにくい世の中をうらめしく思って過ごします。極貧の生活が続き、どうしようもなくなったトキのもとに、ある仕事の話が舞い込んできます。松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事です。外国人が珍しい時代、世間からの偏見を受けることも覚悟の上で、トキは女中になることを決意します。その外国人教師はギリシャ出身のアイルランド人。小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげく、アメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本に流れ着いたのでした。
トキは、初めは言葉が通じない苦労や文化の違いにも悩まされます。ところが、お互いの境遇が似ている事に気が付き、だんだんと心が通じるようになっていきます。しかも、二人とも怪談話が好きだったのです!
へんてこな人々に囲まれ、へんてこな二人が夜な夜な怪談話を語り合う、へんてこな暮らしが始まります――。
※実在の人物である小泉セツ(1868―1932)をモデルとしますが、大胆に再構成し、 登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描きます。原作はありません。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
音を置く、曲が在る ~音楽家 牛尾憲輔~
放送 : 8月26日(火) 午前0時46分~1時31分 [総合・全国] ※月曜深夜