二宮和也が主演を務めた映画『ラーゲリより愛を込めて』が、戦後80年特別放送として8月11日(月・祝)21時からTBS系列で地上波放送される。
2022年に公開され、興行収入26億円、観客動員200万人を突破する大ヒットを記録した同作品。第二次世界大戦直後の1945年のシベリア強制収容所・ラーゲリでの実話に基づいたストーリーは、約4か月にわたってロングラン上映され、大きな話題を呼んだ。
主演の二宮和也が演じるのは、極寒のシベリアの劣悪な状況で、食料もままならないまま過酷な労働が続く日々でも、生きる希望を諦めない山本幡男。死者が続出する強制収容所・ラーゲリで、前向きに生きる夫を信じて待ち続ける山本幡男の妻・山本モジミを北川景子が演じている。また、ラーゲリを生き抜く抑留者仲間として、松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕らが名を連ねている。
監督は、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』などで知られる瀬々敬久。さらに、企画プロデュースを『余命1ヶ月の花嫁』の平野隆、脚本を『永遠の0』『糸』の林民夫が手がけている。
なお、主演の二宮和也は、同作で日本アカデミー賞優秀主演男優賞、ブルーリボン賞「主演男優賞」を受賞。主題歌は、Mrs. GREEN APPLEが書き下ろした楽曲”Soranji”。
NiEW編集部からのひとこと
「一等兵じゃありません。山本です」と言い切る山本を、相澤が殴るシーンがある。ラーゲリという極限の地で、相澤は人をやめることでしか生きていけなかったのだと思う。私たち人には名前があって、意志があって、愛する人がいる。戦争はそれらを奪い人を人でなくする。けれど、山本はどこまでも人であろうしていた。力強く美しい抵抗ではないか。終戦から80年目の夏に見るに素晴らしい映画だと思う。(編集部:及川)
『戦後80年特別放送 映画ラーゲリより愛を込めて』
[放送日時]8月11日(月・祝)よる9:00~11:25
[出演]
二宮和也 北川景子
松坂桃李 中島健人 寺尾 聰 桐谷健太 安田 顕 ほか
[スタッフ]
主題歌 「Soranji」 Mrs. GREEN APPLE (ユニバーサルミュージック / EMI Records)
原作 「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」(辺見じゅん著 / 文春文庫刊)
監督 瀬々敬久
企画プロデュース 平野 隆
脚本 林 民夫
プロデューサー 下田淳行 刀根鉄太 辻本珠子
音楽 小瀬村 晶
制作プロダクション ツインズジャパン
企画協力 清水香子 文藝春秋
配給 東宝
■あらすじ
第二次大戦後の1945年。そこは零下40度の厳冬の世界・シベリア・・・。わずかな食料での過酷な労働が続く日々。死に逝く者が続出する地獄の強制収容所(ラーゲリ)に、その男・山本幡男は居た。「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます。」絶望する抑留者たちに、彼は訴え続けた——
身に覚えのないスパイ容疑でラーゲリに収容された山本は、日本にいる妻・モジミや4人の子どもと一緒に過ごす日々が訪れることを信じ、耐えた。劣悪な環境下では、誰もが心を閉ざしていた。戦争で心に傷を負い傍観者を決め込む松田。旧日本軍の階級を振りかざす軍曹の相沢。クロという子犬をかわいがる純朴な青年・新谷。過酷な状況で変わり果ててしまった同郷の先輩・原。山本は分け隔てなく皆を励まし続けた。そんな彼の仲間想いの行動と信念は、凍っていた抑留者たちの心を次第に溶かしていく。
終戦から8年が経ち、山本に妻からの葉書が届く。
厳しい検閲をくぐり抜けたその葉書には「あなたの帰りを待っています」と。たった一人で子どもたちを育てている妻を想い、山本は涙を流さずにはいられなかった。
誰もがダモイの日が近づいていると感じていたが、その頃には、彼の体は病魔に侵されていた・・・。体はみるみる衰えていくが、愛する妻との再会を決してあきらめない山本。そんな彼を慕うラーゲリの仲間たちは、厳しい監視下にありながらも、山本の想いを叶えようと思いもよらぬ行動に出る。そしてモジミに訪れる奇跡とは——