映画『アフター・ザ・クエイク』が、10月3日(金)からテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開される。
同作は、2025年4月に放送されたNHKの連続テレビ小説『地震のあとで』に続く物語。映画、ドラマともに2000年に刊行された村上春樹の短編連作『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫刊)が原作で、同著に収録されている4編を1995年から2025年の30年にわたる物語として再構築した。1995年の阪神・淡路⼤震災以降、それぞれ別の時代・場所で孤独を抱える4⼈の喪失と回復の物語が描かれる。映画はドラマ版と物語を共有しながらも、1話完結で交わることのなかった主人公4人が交錯していく様が、マジックリアリズム(=日常にあるものと日常にないものを融合させる表現技法)を交えて描かれる。
監督は、連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)、阪神・淡路大震災15年特集ドラマ『その街のこども』(2010年)の演出を務めた井上剛。村上春樹原作・映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)で濱口竜介との共同脚本を務めた大江崇允が脚本を務めているほか、音楽は大友良英が担当。キャストには岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市らが迎えられた。
このたび、30秒予告が解禁となった。「あなたの想像力次第で、世界はどんな風にもかえることができます」というかえるくん(声:のん)の印象的な台詞が示すように、現実と幻想が交差する不思議な映像に仕上がっている。7月11日(金)にはオンラインでムビチケが発売される。
NiEW編集部からのひとこと
いろんな作品が脳裏に浮かぶキャスティング。兵庫県出身の俳優も多く、「その前とその後」について思考を重ねてきた俳優・スタッフ陣から、黒崎煌代、黒川想矢ら次世代へとつないでいく意識を感じる(考えすぎ?)。予告で聞こえてきた大友さんのノイズに唸り、『港に灯がともる』『スパイの妻』など神戸映画を支えるプロデューサーの名前に安心。「その後」に兵庫、神戸で生まれ育った者として、私も考え続けていたい。(編集部:柳瀬)
『アフター・ザ・クエイク』
公開日:2025年10月3日(金)
出演:
岡田将生 鳴海 唯 渡辺大知 / 佐藤浩市
橋本 愛 唐田えりか 吹越満 黒崎煌代 黒川想矢 津田寛治
井川 遥 渋川清彦 のん 錦戸 亮 / 堤 真一
監督:井上 剛
脚本:大江崇允
音楽:大友良英
プロデューサー:山本晃久 訓覇圭
アソシエイトプロデューサー:京田光広 中川聡子
原作:村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫刊)より
製作:キアロスクロ、NHK、NHK エンタープライズ
制作会社:キアロスクロ
配給・宣伝:ビターズ・エンド
©2025 Chiaroscuro / NHK / NHK エンタープライズ
<STORY>
1995年、妻が姿を消し、失意の中訪れた釧路でUFOの不思議な話を聞く小村。2011年、焚き火が趣味の男と交流を重ねる家出少女・順子。2020年、“神の子ども”として育てられ、不在の父の存在に疑問を抱く善也。2025年、漫画喫茶で暮らしながら東京でゴミ拾いを続ける警備員・片桐。世界が大きく変わった30年、人々の悲しみや不幸を食べ続けたみみずくんが再び地中で蠢きだした時、人類を救うため“かえるくん”が現代に帰ってくる―。