日本のインディーレコードレーベルP-VINEが、スマートフォンアプリ「VINYLVERSE」と次世代レコード「PHYGITAL VINYL」をリリースした。
「レコードの世界」を意味する「VINYLVERSE」は、実物のレコードコレクションをデジタルで管理、共有できる新しいサービスを提供するアプリ。アカウント登録と同時に各ユーザーのギャラリーが開設され、レコードのジャケットをアプリで撮影することで、データベースから情報を検索してギャラリーにコレクションを追加できる。ギャラリーはユーザー同士に公開でき、他のコレクターをフォローしたり、気に入ったレコードに「いいね!」したりと、音楽を通じたつながりを楽しめる。ギャラリーに追加したレコードをユーザー同士で売買できるマーケット機能も2025年中に導入される予定で、実店舗を持つレコードショップがオンラインストアを簡単に開設することも可能になる。
フィジカルとデジタルの融合を掲げる「PHYGITAL VINYL」は、「VINYLVERSE」との連携を想定した次世代のレコード。フィジカルリリースされるレコードのレーベル面にQRコード付きのNFCチップが搭載されており、QRコードをスキャンすることでブロックチェーンに接続してアプリ上でレコードの所有証明ができる。所有証明を通して所有者に限定のギフトやイベント参加権などを贈ることもでき、アーティストとファンのコミュニティ形成に役立つ機能となっている。将来的には、メタバースなどの仮想現実との連携も視野に入れているという。
「VINYLVERSE」と「PHYGITAL VINYL」の正式リリースに際し、株式会社Pヴァイン代表取締役社長の水谷聡男が、2021年に発足した「VINYL GOES AROUND」プロジェクトチームを代表してコメントを発表した。
3年前にたくさんのレコードが世界中の皆様に届くようにという願いを込めてVINYL GOES AROUNDチームが発足しました。
株式会社Pヴァイン
この間、細々とではありますが熱狂的なヴァイナル支持者の期待に応えるべく、レコードのみならず、Tシャツやシルクスクリーン仕様のハンドメイドのエクスクルーシヴ商品そしてele-kingを通しての書籍やウェブでのコラムなど、ヴァイナルにかかわる様々な企画をしてまいりました。
今春にはVINYL GOES AROUND PRESSINGというレコード・プレス工場を設立しました。少しずつレコードと音楽とカルチャーが大好きな皆様に我々のヴァイナルに対する想いが届いていればと思っております。
VINYL GOES AROUND発足当初より、我々はヴァイナルが好きな人たちが集うコミュニティーの形成を目指しておりましたが、この度、VINYL GOES AROUNDによる新たなプロジェクト「VINYLVERSE」を開始することになりました。
ヴァイナル好きが自身のコレクションをデジタルの棚(「デジ棚」と呼んでください)にアーカイヴしキュレートすることで、世界中の人々やレコード店とつながりを持つことができ、そして、そこに集まった様々なレコードを手にできるマーケットプレイスへと発展していくことを目指すサービスです。
併せて、少しだけレコードの未来に向けた試みにもトライしております。
まずは、自分のレコードをVINYLVERSEのデジ棚にアーカイヴしてみることから始めてみませんか?
まもなくPヴァインは50周年を迎えようとしております。
我々が掲げてきた「THE CHANGING SAME ~変わりゆく、変わらないもの~」というバリューの元、これからも音楽文化の伝統を大切にしながら、テクノロジーと融合した新しい価値をお届けします。
たくさんのレコードが世界中の皆様に届くように ~Vinyl Goes Around~
代表取締役社長 水谷聡男
PHYGITAL VINYLの第1弾として、THE WOODEN GLASS featuring BILLY WOOTENの『Live』が333枚限定でリリースされた。同商品はVINYLVERSEのWebサイト、VINYL GOES AROUNDの公式サイト、P-VINEのオフィシャルストアAnywhere Storeにて販売中。購入後、アプリでスキャンを行った所有者には追加特典の提供が予定されている。
