ノンフィクションライターの石戸諭による書籍『「嫌われ者」の正体―日本のトリックスター―』が11月18日(月)に新潮社より刊行される。
玉川徹、西野亮廣、ガーシー、吉村洋文、山本太郎など、時に大衆を熱狂させ、時に炎上の的になるメディアの寵児たち。極端な言動で世間の注目を一挙にさらい、「社会現象」とも言える大きなムーブメントを生み出す彼ら「渦中の人たち」には熱狂的な支持者とアンチを生み出すという共通点がある。賞賛か批判かはともかく、我々は彼らについて語りたくなり、そしてネットに書き込みたくなってしまう。何が人々をそこまで惹きつけるのだろうか。
同書は、本格的な人物ルポルタージュに定評ある石戸諭が、前述の「日本のトリックスター」とも言うべき人物たちについて、本人や周辺への丹念な取材を積みあげたうえで、冷静な目でレポートする。さらに、多くの旧統一教会2世信者にも取材し、メディアによって形作られた「洗脳されたかわいそうな被害者像」とは異なる彼らの意外な姿や政治家との本当の関係にも肉迫する。

熱狂、憎悪、賞賛、炎上、その中心にいる人物は何を考えているのか。彼らを取り巻く人たちにはどのような思い、あるいは計算があるのか。そのムーブメントは社会にとってどのような意味を持つのか。彼らの存在を通して見えてきた日本社会の問題点、メディアの不健全さなどについても、「右か左か」「敵か味方か」「善か悪か」の二分法を超えて論じていく。
『「嫌われ者」の正体―日本のトリックスター―』

著者名:石戸諭
発売日:2024年11月18日(月)
造本:新書
定価:1,056円(税込)
ISBN:978-4-10-611065-8
■ 目次
プロローグ 幼稚な極論に抗うために
玉川徹――権力批判は最高の素材である
西野亮廣――否定も批判も織り込みながら肯定し続ける
ガーシー――暴露で革命は起こせないという現実
2022 年の旧統一教会――カルトを絶対悪とするカルト的思考
吉村洋文――敵多き普通の男の苦悩
山本太郎――稀代のポピュリストの栄光と限界
エピローグ 思慮深さを失わないために