アートフェア『ARTISTS’ FAIR KYOTO 2025』が、2025年2月28日(金)から3月2日(日)まで京都で開催される。
2018年から開催されている『ARTISTSʼ FAIR KYOTO』は、新進気鋭の若手アーティストが自ら企画 / 運営 / 出品するアートフェア。開催テーマに「Art Singularity(アートシンギュラリティ)」を掲げており、ディレクターは椿昇が担当。2025年は若手アーティストを推薦する「アドバイザリーボード」と公募により選出された40組が参加し、内2組はアメリカからの参加となる。
すでに国内外で活躍しているアーティストによって構成される「アドバイザリーボード」には、加藤泉、名和晃平、ヤノベケンジら16組が参加。アメリカを拠点に活躍するオサム・ジェームス・中川、『あいちトリエンナーレ2019』など国際的芸術祭で経験を重ねる津田道子、2023年に国立新美術館で開催の大型個展『Interface of Being 真空のゆらぎ』も話題を呼んだ大巻伸嗣は初参加となる。
メイン会場は、前回初会場となった京都国立博物館 明治古都館と、例年会場となっている京都新聞ビル 地下1階。ペインティングからテクノロジーを駆使したインスタレーションまで、多種多様な表現手法の作品が展示 / 販売される。さらに、京都の街中にもサテライト会場が展開され、若手批評家育成プロジェクトなども開催予定となっている。今回の発表にともない、ディレクターを務める椿昇からのメッセージも公開されている。
以前アドバイザリーボードをお願いした池上高志先生と青森で対談した折に、生命の本質は「堅牢性だよ」と仰った事がずっと脳裏に焼き付いて離れない。DNAというシンプルな素材は、信じ難い多様性を生み出しながら驚くほどエラーを起こさないし、エラーを修復する力も半端ない。
さて、美術教育の現場にこの堅牢性と多様性の物語をどう解釈すれば良いのかヒントがある。金沢21世紀美術館で14年間継続してきた中学生対象のワークショップ。突拍子もないテーマな上に、方法と技術を全く与えられない。結果生まれ出るのは100人いれば100通りの認知パターンと表現形式が存在し、そこには驚異的な多様性と優劣を超越したパワーの噴出があった。
マーク・マンダースの作品の前で木炭でカンバスにスケッチした中学生たちのフォースは、人間の持つ根源的なパワーを存分に証明した。さて、大人になってゆくアーティストたちにもこの衝撃波は起こせるのだろうか…アートは実に恐ろしいのだ。
ARTISTS’ FAIR KYOTO ディレクター 椿昇
『ARTISTS’ FAIR KYOTO 2025』

メイン会場
会 場:京都国立博物館 明治古都館(京都市東山区茶屋町527)
京都新聞ビル 地下1階(京都市中京区烏丸通夷川上ル少将井町239)
日 程:2025年2月28日(金)〜3月2日(日)
時 間:京都国立博物館 明治古都館 9:30~17:00(最終入場16:30)
京都新聞ビル 地下1階 10:00~17:00(最終入場16:30)
主催:京都府、京都新聞、ARTISTS’ FAIR KYOTO実行委員会
後援:経済産業省、文化庁、京都商工会議所、一般社団法人京都経済同友会
【若手アーティスト:40組】※2024年10月24日現在
[ ] 内は推薦アーティスト、又は公募選出者
・Andrés Mario de Varona(アンドレス・マリオ・デ・ヴァローナ)[オサム・ジェームス・中川]
・諫山元貴[名和晃平]
・𡧃野湧[公募]
・大澤一太[池田光弘]
・大角ユウタ[ミヤケマイ]
・小笠原盛久[田村友一郎]
・岡村よるこ[公募]
・岡本里栄[伊庭靖子]
・オヤマアツキ[公募]
・川村摩那[公募]
・吉川永祐 [津田道子]
・久保木要[公募]
・久保田荻須智広[薄久保香]
・熊谷卓哉[ヤノベケンジ]
・桑原ひな乃[Yotta]
・佐直麻里子[津田道子]
・柴田まお[大巻伸嗣]
・しまうちみか[ロバート・プラット]
・清水信幸[加藤泉]
・Jaclyn Wright(ジャクリン・ライト)[オサム・ジェームス・中川]
・白井桜子[大庭大介]
・橘葉月[鶴田憲次]
・儲靚雯(チョセイブン)[公募]
・土屋咲瑛[椿昇]
・寺澤季恵[薄久保香]
・中﨑由梨[田村友一郎]
・長沢楓[大庭大介]
・中村直人[公募]
・丹羽優太[椿昇]
・林可奈葉[鬼頭健吾]
・福田澪[ロバート・プラット]
・松井照太[鬼頭健吾]
・松尾昌樹[公募]
・本岡景太[大巻伸嗣]
・山越美佳[公募]
・山田千尋[公募]
・ヤマモトコウジロウ[Yotta]
・山本紗佑里[伊庭靖子]
・山本真実江[鶴田憲次]
・和出伸一[池田光弘]