『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024』が7月13日(土)から11月10日(日)まで、新潟県・十日町市と津南町で構成される越後妻有地域にて開催される。
世界最大級の国際芸術祭として知られる同芸術祭は、総合ディレクターに新潟県出身の北川フラムを迎え、2000年に誕生。平成に行われた近隣5市町村の市町村大合併を開催の契機に、過疎高齢化や若年労働力の都市への流出、農業の縮小による地域力の減退といった課題や失われつつある地域の魅力に再び着目し、人々の営みと自然、人と地域、人と人を結びつける美術の力を活かして地域の可能性を切り開いてきた。
トリエンナーレとして、8回目となった2022年以来の開催となるほか、通年で越後妻有地域に点在する作品を楽しむことができ、里山の自然を巡りながらアートを体験できる芸術祭となっている。通年で公開されている作品の中でも、マ・ヤンソン(馬岩松) / MADアーキテクツによるアート作品として清津峡渓谷トンネルを改修した『Tunnel of Light』は、渓谷の景観を映し出す水盤鏡が多くのメディアで取り上げられ話題となった。9回目の開催となる今回は、41の国と地域から275組のアーティストが参加、うち16の国と地域の100組の作品は新作、新展開となる。
旧ソビエト連邦(現ウクライナ)出身で、「モスクワ・コンセプチュアリズムの父」として知られるロシア前衛芸術家で2023年に亡くなったイリヤ・カバコフ(Ilya Kabakov)の創作の軌跡をたどる展示も公開。カバコフは稲作の情景を表現した彫刻作品『棚田』など、妻のエミリア・カバコフ(Emilia Kabakov)と共に多くの作品を『大地の芸術祭』に残している。
また、キーウ出身で、ロシアによる侵攻後もウクライナに留まりながら創作活動を続けるニキータ・カダン(Nikita Kadan)の個展では、ミサイルで破壊された屋根の金属と越後妻有地域の石を用いた彫刻作品『ホストメリの彫刻』などが展示される。
そのほか、ユーゴスラビア出身パフォーマンスアーティストのマリーナ・アブラモヴィッチ(Marina Abramović)による『夢の家』などの宿泊体験型作品や、「食」をテーマに活動している現代美術作家のEAT&ART TAROが企画し、「女衆(おんなしょ)」と呼ばれる地元上郷や津南のお母さんたちが、明るく楽しくお芝居風に料理を提供するパフォーマンスレストラン『上郷クローブ座レストラン』、世代や国籍を問わずに参加可能な『大地の運動会』など、五感でアートを体験できる作品やイベントの実施が予定されている。
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024(Echigo-Tsumari Art Triennale 2024)
開催日程:2024年7月13日(土)~11月10日(日) 火・水定休(全87日)
※全期間を通じて、火・水曜日は休み(一部作品施設は通常営業)
開催時間:10:00~17:00(10・11月は10:00~16:00)
※各作品によって公開日・公開時間が異なる場合あり
開催地:越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)760㎢
主催:大地の芸術祭実行委員会、NPO法人越後妻有里山協働機構、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
実行委員長:関口芳史(十日町市長)
副実行委員長:桑原悠(津南町長)
名誉実行委員長:花角英世(新潟県知事)
総合プロデューサー:福武總一郎(公益財団法人福武財団名誉理事長/株式会社ベネッセホールディングス名誉顧問)
総合ディレクター:北川フラム(アートディレクター)
クリエイティブ・ディレクター:佐藤卓(グラフィックデザイナー)
オフィシャルサポーター・リーダー:高島宏平(オイシックス・ラ・大地株式会社代表取締役社長)