展覧会『舟越桂 森へ行く日』が7月26日(金)から11月4日(月・祝)にかけて、神奈川・箱根の彫刻の森美術館で開催される。
舟越桂は、戦後日本を代表する彫刻家・舟越保武を父に持つ岩手県出身の彫刻家。1982年に東京・銀座にあったギャラリー・オカベで初個展を開催し、1985年以降は西村画廊を中心に作品を発表。1986年からは活躍の場を海外にも広げ、ロンドンに文化庁芸術家在外研修員として1年間滞在したほか、1988年の『第43回ヴェネチア・ビエンナーレ』にも参加し、1992年にはドイツのカッセルで5年に一度開催される現代美術の国際美術展『ドクメンタ』にも出品した。「スフィンクス」を題材にした作品を数多く残していることでも知られている。
同展は、「僕が気に入っている」「人間とは何か」「心象人物」「『おもちゃのいいわけ』のための部屋」の4部構成。生涯を通して「人間の存在」に向き合った舟越の作品の中から、2003年のイラク戦争に対する怒りと嘆きから生まれた『戦争を見るスフィンクスⅡ』や東日本大震災をきっかけに制作された『海にとどく手』などを通して、舟越の彫刻家としての作品の変遷と創作の源を辿ることができる。
なお、同展は日本初の野外彫刻美術館である彫刻の森美術館の開館55周年を記念したもので、2023年3月に舟越に依頼したことをきっかけに企画がスタート。準備中の2024年3月に肺がんのため72歳で舟越が死去したものの、最期まで展覧会の実現を望んだ舟越自身の意思と遺族の意向を尊重し開催されることとなった。
展覧会概要
展覧会名:彫刻の森美術館 開館55周年記念 舟越桂 森へ行く日
会期:2024年7月26日(金)〜11月4日(月・休)
会場:彫刻の森美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
展示室:彫刻の森美術館 本館ギャラリー
時間:9:00〜17:00(⼊館は閉館の30分前まで)
休館日:年中無休
観覧料:大人 2,000円、大学・高校生 1,600円、中学・小学生 800円、未就学児 無料
※Webチケット割引、団体割引、障害者割引あり ※学生の方は証明書をご提示ください
【彫刻の森美術館 公式サイト】
www.hakone-oam.or.jp/
【特設サイト】
www.hakone-oam.or.jp/specials/2024/katsurafunakoshi/
⾈越 桂 katsura Funakoshi
略歴
1951年 岩⼿県盛岡市⽣まれ
1975年 東京造形⼤学彫刻科卒業
1977年 東京芸術⼤学⼤学院美術研究科彫刻専攻修了
1986-87年 ⽂化庁芸術家在外研修員としてロンドンに滞在
2024年 3⽉29⽇没 享年72歳
受賞歴
1995年 第26回中原悌⼆郎賞優秀賞受賞
1997年 第18回平櫛⽥中賞受賞
2011年 紫綬褒章受賞
展覧会歴
1988年 「第43回ヴェネチア・ビエンナーレ」イタリア
1992年 「ドクメンタIX」カッセル、ドイツ
2003-04年 「⾈越桂Works: 1980-2003」東京都現代美術館/栃⽊県⽴美術館/北海道⽴旭川美術館/⾼松市美術館/岩⼿県⽴美術館/広島市現代美術館
2008年 「⾈越桂夏の邸宅アール・デコ空間と彫刻、ドローイング、版画」東京都庭園美術館
2012年 「開館25周年記念展 舟越桂2012 永遠をみるひと」メナード美術館
2015-16年 「⾈越桂私の中のスフィンクス」兵庫県⽴美術館/群⾺県⽴館林美術館/三重県⽴美術館/新潟市美術館
2020年 「舟越桂 私の中にある泉」渋谷区立松濤美術館