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むきだしの魂が発する、おびただしい熱量に正される背筋
MC MANGO。ヒップホップの極北。今回出演したアクトの中で、確実に何かがぶっちぎりで1位だったが、それが何なのかはわからない。ラストではちょっと泣いた。大昔の電気グルーヴのインタビューで、「狂人の哀愁を表現したい」という発言があったが、それを思い起こさせる素晴らしいライブだった。
the hatch。「過去イチ」という感想が散見されるほど素晴らしい内容であり、普通に落涙した。異常なまでに研ぎ澄まされた集中力と反射神経が会場全体に伝番していくようなライブ。むきだしの魂が発するおびただしい熱量に、背筋が伸びる気持ちだった。確固たる実験精神をもって既存曲にアレンジを施し続け、ライブ毎にアップデートを繰り返す彼らを観ていると、正直なところ、なぜここまでするのか、なんでここまでしなければならないのかという疑問さえ湧くが、それはけっきょく、彼らは「これしかない」って本気で、自我の底からそう思っているからのだと思う。




CARTHIEFSCHOOL。つい最近ワンマンを観たばかりなのだが、本当に変なバンドだと思う。変な人たちがやっている変なバンド。そして本人たちは変なことをやろうとか少しも思っていないであろうところが本当にヤバい。いろんなプラモデルのパーツをデタラメにくっつけて、接着剤の跡とか丸見えだし、最終的に出来上がったものが何なのかもよくわかんないんだけど、とにかくムチャクチャカッコイイ形になってるみたいな、そんな感じのバンドだと思う。
DON KARNAGE。トランスの域に達したハードコア。事件というより事故。漫☆画太郎のマンガで、突然トラックが突っ込んできて全員即死してトラックごと爆発するという定番オチがあるが、あの感じがずーっと持続するような常軌を逸したライブ。鬼気迫るというのはああいうことを言うのだと思う。

C.A.R.P.。不当なまでに楽しいゴアトランスユニット。他にも観たいアクトがあったので、ある程度チェックしたら移動しようなどという不遜な考えを抱いていたのだが、完全に持っていかれてしまった。ガチでバチバチに快楽的なトランス。しかも2人が随所で披露するダンスやMC、ライブアクションもいちいち面白くて気が利いていて、爆笑しながら踊りまくれるという一石二鳥ぶり。終演後にメンバーの黄倉未来が放った「ゴア・フォー・オール、オール・フォー・ゴア」という発言は蓋し名言である。