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ヨーロッパツアー中のmaya ongakuを取材。海外でステップアップを重ねるバンドの哲学

2025.7.24

#MUSIC

「予定調和のライブは恥ずかしい」ーー毎回変わるインプロビゼーション

―以前別の媒体で、ベルリンのオーディエンスを見て「踊らせたい気持ちが芽生えた」と書いてましたけど、そういう実感はありますか?

池田:前回のヨーロッパから今回のヨーロッパで、新しくやった曲ってEPの2曲ぐらいじゃなかったっけ?

池田抄英

園田:そうそう。ライブでアレンジしていくことで、歌モノの曲なんだけど、その後半部分にめちゃくちゃ長いインプロを入れたりとか。その歌の分数と同じか、それより倍ぐらいのインプロ(即興)ゾーンをライブアレンジに加えたりして。

池田:今回特にヨーロッパで、そういうゾーンが欲しくなったね。

高野:同じ曲なのに毎回全然違うことになるから面白い。

高野諒大

園田:そう。こっちは何千回と聴いてるし、変化があったほうが僕らも楽しいから。

―アムステルダムとかだと結構大きな会場でプレッシャーもありそうですが。

園田:サイズが上がれば上がるほど、このインプロで常に新しいことをするのに重みが出てくる。アムステルダムはもうそのミスすら聴かれちゃう、気づかれちゃう。

池田:しかも、もう一番見えるところにGoくんがいて腕組んでるじゃんみたいな(笑)。

園田:それでもなんか決め込んだライブをやってる方が恥ずかしい。自分たち自身でも飽きちゃうし予定調和みたいなのがすごい寒い感じがする。だから今のスタイルがお客さんと一緒に楽しめる唯一の方法。この後どうなるのか分からない感じを、シェアする感覚。“異様の人”とかも、俺がソロするタイミングが絶対毎回違うし。面白くなったらそれが採用されて、それを何回かやって、また変えて。結局ずっと変化させていく。

今年4月にアメリカ・シアトルの音楽ラジオ局「KEXP」のYouTubeチャンネルで披露したライブ映像

―海外でやることに対して、成長したなと思う部分はありますか?

園田:何かミスしたときに、みんななんかやばい顔をしなくなったみたいな。冷静にできるようになったから、前はミスした瞬間に、もうすべてが崩壊するんじゃないかってパニックになってたけど、今は誰かがミスっても、全然それに対して何も感じなくなった。

―基本はハプニングが前提みたいな。

園田:このツアーの初日、ロンドンで池田がまた鍵盤を壊したんですよ。

池田:またって(笑)。

園田:前回のベルリンでもやったんだけど、今回も音が出なくなっちゃった。でももう誰も慌てない。別にどうにかなるし、なんなら逆におもしろいやって感じで。もしサイコロでそういう目が出ちゃったら、そのカードでできることがあるかもしれないし、できないかもしれない、最悪かもしれない。でもそういうのも別に、まあいっかと(笑)。次があるからいいんですよ。

―アメリカとヨーロッパで観客の反応に違いはありますか?

園田:アメリカはソロの後、絶対拍手があるんだけど、ヨーロッパはやっぱり違う。それは多分聴き方の文化。ヨーロッパはトランスしている時が一番リアクションがいい。お客と一緒にドカーンってぶち上がっている瞬間がなくても、ジリジリ盛り上がって、いつパンと終わってもいい。

スーツを着た男性たちの白黒写真

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

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