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第1話の「黒に染まったプリン」からの予兆

第1話にこんなシーンがあったのを覚えているだろうか。松風が美味しそうなプリンに不躾にコーヒーをかけて「こうなってしまっても、これは“プリン”と呼べるだろうか」と問いかけるシーンだ。心麦は少し戸惑いながらも、黒に染まったプリンを食べて、「これはプリンです」と言い切る。それは『クジャクのダンス、誰が見た?』のタイトルの由来でもある「目撃者がいなかったとしても、踊っていたクジャクの美しさに意味があるのか」という哲学的な問いに対して答えを提示したようだった。その覚悟に共鳴した松風は誓いを交わすかのように、残りのプリンを一気に掻き込んだ。これは原作にないドラマオリジナルの描写だが、心麦と松風がやがて「名バディ」へと成長する予兆を感じるシーンでもあった。 ここまで振り返ってはみたが、このドラマがどのような結末を迎えるのか、いまだ予想がつかないままでいる。願わくば、本作のように世知辛い世界にいる私たちが、少しでも明るい気持ちになれるようなドンデン返しを名バディに期待したい。
『クジャクのダンス、誰が見た?』

TBS系にて3月28日金曜よる10時から最終回放送
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kujakunodance_tbs/