長年愛されるプリキュアシリーズの最新作『キミとアイドルプリキュア♪』は、ファンからの応援を力に変える「アイドルプリキュア」が活躍する物語。タイトルからも象徴されるように、アイドルにとって「キミ」という応援してくれる存在は欠かせない。そんな「ファンの応援」という活動の源について、テレビシリーズでも注目のキャラクター、キュアズキューン/プリルン役の南條愛乃と、キュアキッス/メロロン役の花井美春に、自身のファンとの思い出を聞いた。
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ファンの存在は原動力。応援の声がライブを楽しむ力へ
―映画の舞台は「アイアイ島」ということで、普段のアニメシリーズとは違う環境で描かれていると思うんですが、今作のシナリオを読んだときの感想を教えてください。
南條:知らない場所、アイアイ島に飛ばされて、ここから何が始まるんだろうっていうわくわくしましたね。結構分厚めの台本が2冊あったんですけど、本当に2冊あったのかなっていうぐらいすごい楽しくて、あっという間でした。
花井:テラちゃんという女の子とアイアイ島で出会うんですけど、テラちゃんがアイドル嫌いということを知って驚きました。「何でなんだろう、アイドル嫌いな人なんているんだな」と思っていたら、やっぱり相応の理由があって。島の女神・アマス様との関係性などを読み解いていくと、何とも切ない話ではありました。今回は推しについて考えさせられる劇場版になったと思います。
―推しというワードが出ましたが、今作のプリキュアのタイトル『キミとアイドルプリキュア♪』に象徴されるように、アイドルとファンの関係性には、互いに勇気を与え合う側面もあると思います。お2人にとってのファンの存在についてお聞かせください。
花井:そうですね。私にとっては、もう頑張る理由ですね。ファンの人が来てくれるからこそ頑張れるというのは、本当にそうで。毎回Xとかで応援の言葉をいただけたり、「頑張ってね」とか、「見たよ」とか、そういうお声を直接いただけることが本当に自分の活動の糧になっていて。やっぱりファンの方たちにお返しをしたいっていう気持ちがどんどん大きくなっていくので、皆さんに恩返しをできるように頑張ろうって思いますね。

北海道千歳市出身。『ばっどがーる』、『うたごえはミルフィーユ』などに参加。『キミとアイドルプリキュア♪』では、キュアキッス / メロロン役を担当。
南條:私も頑張る理由っていうのがもう……同じなんですけど(笑)。私は声優の活動もありつつ、歌の活動もさせてもらっているんですけど、人前に立つのは本当に苦手で。元々歌を歌うこと自体は好きなんですけど、スタジオで歌うのが好きだったんですよ。
花井:そうなんですか! 衝撃なんですけど。
南條:そう。歌いたいけど、昔はライブをするのが本当に怖くて。なんかどうにか回避できないかと本当に思っていて(笑)。でも、数年前からライブ楽しいなって思えるようになりましたね。それもファンの人がいてくれたからで。ライブをすると、下手っぴながらもファンの人たちがワーッと盛り上がってくれて、「わあ楽しかった、またライブやりたいな」ってたぶらかされて(笑)。それでライブの予定を決めては「何でライブやるって言っちゃったんだろう」と緊張して、でもいざやると楽しくてまた次もって思って……。
その繰り返しをしていたら、「こういう曲あったらライブで盛り上がりそう」って、ライブありきで考えてる自分がいたんです。あんなにライブぎらいだった私がどうしてそうなったんだろうと考えたら、全部応援してくれてるファンの皆さんがいるからだなって。本当に応援は届くし糧になる。誰も来なくなっちゃったら、私は歌の活動をすっと辞めるんじゃないかなと思います。今は本当に、ファンの皆さんに会うための場所として、苦手だったはずのライブを楽しめているので、ファンの人たちは、私のライブ嫌いを覆しちゃうぐらい大きなパワーを持っているなと思います。

静岡県出身。『ラブライブ!』や『戦姫絶唱シンフォギア』に参加。『キミとアイドルプリキュア♪』では、キュアズキューン /プリルン役を担当。