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南條愛乃と花井美春が明かす、苦手さえ変えたファンの応援。「頑張れー! は届く!」

2025.9.19

#MOVIE

長年愛されるプリキュアシリーズの最新作『キミとアイドルプリキュア♪』は、ファンからの応援を力に変える「アイドルプリキュア」が活躍する物語。タイトルからも象徴されるように、アイドルにとって「キミ」という応援してくれる存在は欠かせない。そんな「ファンの応援」という活動の源について、テレビシリーズでも注目のキャラクター、キュアズキューン/プリルン役の南條愛乃と、キュアキッス/メロロン役の花井美春に、自身のファンとの思い出を聞いた。

ファンの存在は原動力。応援の声がライブを楽しむ力へ

―映画の舞台は「アイアイ島」ということで、普段のアニメシリーズとは違う環境で描かれていると思うんですが、今作のシナリオを読んだときの感想を教えてください。

南條:知らない場所、アイアイ島に飛ばされて、ここから何が始まるんだろうっていうわくわくしましたね。結構分厚めの台本が2冊あったんですけど、本当に2冊あったのかなっていうぐらいすごい楽しくて、あっという間でした。

花井:テラちゃんという女の子とアイアイ島で出会うんですけど、テラちゃんがアイドル嫌いということを知って驚きました。「何でなんだろう、アイドル嫌いな人なんているんだな」と思っていたら、やっぱり相応の理由があって。島の女神・アマス様との関係性などを読み解いていくと、何とも切ない話ではありました。今回は推しについて考えさせられる劇場版になったと思います。

―推しというワードが出ましたが、今作のプリキュアのタイトル『キミとアイドルプリキュア♪』に象徴されるように、アイドルとファンの関係性には、互いに勇気を与え合う側面もあると思います。お2人にとってのファンの存在についてお聞かせください。

花井:そうですね。私にとっては、もう頑張る理由ですね。ファンの人が来てくれるからこそ頑張れるというのは、本当にそうで。毎回Xとかで応援の言葉をいただけたり、「頑張ってね」とか、「見たよ」とか、そういうお声を直接いただけることが本当に自分の活動の糧になっていて。やっぱりファンの方たちにお返しをしたいっていう気持ちがどんどん大きくなっていくので、皆さんに恩返しをできるように頑張ろうって思いますね。

花井美春(はない みはる)
北海道千歳市出身。『ばっどがーる』、『うたごえはミルフィーユ』などに参加。『キミとアイドルプリキュア♪』では、キュアキッス / メロロン役を担当。

南條:私も頑張る理由っていうのがもう……同じなんですけど(笑)。私は声優の活動もありつつ、歌の活動もさせてもらっているんですけど、人前に立つのは本当に苦手で。元々歌を歌うこと自体は好きなんですけど、スタジオで歌うのが好きだったんですよ。

花井:そうなんですか! 衝撃なんですけど。

南條:そう。歌いたいけど、昔はライブをするのが本当に怖くて。なんかどうにか回避できないかと本当に思っていて(笑)。でも、数年前からライブ楽しいなって思えるようになりましたね。それもファンの人がいてくれたからで。ライブをすると、下手っぴながらもファンの人たちがワーッと盛り上がってくれて、「わあ楽しかった、またライブやりたいな」ってたぶらかされて(笑)。それでライブの予定を決めては「何でライブやるって言っちゃったんだろう」と緊張して、でもいざやると楽しくてまた次もって思って……。

その繰り返しをしていたら、「こういう曲あったらライブで盛り上がりそう」って、ライブありきで考えてる自分がいたんです。あんなにライブぎらいだった私がどうしてそうなったんだろうと考えたら、全部応援してくれてるファンの皆さんがいるからだなって。本当に応援は届くし糧になる。誰も来なくなっちゃったら、私は歌の活動をすっと辞めるんじゃないかなと思います。今は本当に、ファンの皆さんに会うための場所として、苦手だったはずのライブを楽しめているので、ファンの人たちは、私のライブ嫌いを覆しちゃうぐらい大きなパワーを持っているなと思います。

南條愛乃(なんじょう よしの)
静岡県出身。『ラブライブ!』や『戦姫絶唱シンフォギア』に参加。『キミとアイドルプリキュア♪』では、キュアズキューン /プリルン役を担当。

「やめるより続ける方が難しい(南條)」夢を見失っても続けることができた理由

―ファンの人たちの姿は、活動のモチベーションになっているんですね。声優という活動を続ける中で、「夢を持ち続けること」に難しさを感じた瞬間はありましたか。

南條:そうですね。私が声優を目指したきっかけはちょっと邪道なんですけど、「人見知りを直したい」だったんですよ。発表することや人前で何かすることは苦手だったけど、アニメが好きだったので、何かアニメに関わる仕事をしたいなと思っていて。声優という職業を知ったときに、人前にも出ないし、アニメにも関われるし、最適! と思って目指したんです。デビューした頃には声優も顔出しをするような時代になってきていて、そこは誤算でしたけど(笑)。

でもお仕事を続ける中で夢とかモチベーションが保てなくなることは何度もありました。続けることが一番難しいなと思います。やめる方が簡単なんですよね。夢が見えなくなっちゃっても続けるというのは、心のよりどころもないままやることになるので、しんどいなっていう時期もあったんですけど、いつも遊びに来てくださってるファンの方や、手紙をくださる方の顔がやっぱり浮かぶんです。「ファンのみんな」っていう概念みたいなものが私の中にあって、そのみんなに会えなくなっちゃうのが嫌だなという気持ちが原動力の一つなので、続けてこられたのはファンの皆さんの存在がめちゃくちゃ大きいです。あとは現場で会える声優仲間の存在も大きいですね。

花井:私は今、夢を持ち続ける難しさというよりも、お芝居をすること自体がすごく楽しいと感じていて。このままずっと演技やアニメに携わっていきたいと思っているんですけど、まだ歌でなにかを表現することに納得できていない部分があるんです。声優という職業はキャラソンもついて来るから、自分に合って歌いやすいキャラクターもいれば、私の実力不足でその子の歌を引き出しきれないと感じるキャラクターもいて。そういうときに、本当に申し訳ないなという気持ちがあるんです。

それでもファンの人たちは本当に細かいところまで聴いて感想を言ってくださるので、自分でも満足したものを、ファンの人に堂々と届けられるようになりたいというのが正直な今の想いです。今後も声優として活動していく上で、お芝居と歌は切り離せないものだと思うので、どちらも心から楽しめるようになっていけたらと思っています。

キャラクターの言葉に重ねた想い。「頑張れー! は届くプリ!」

―プリキュアの声優として発表された際はファンの方からも大きな反響があったかと思うのですが、お2人にもその声は届いていましたか?

南條:そうですね。私のファンの方たちって、結構お子さんを持たれてる方もいらっしゃるので、すごく喜んでくれていて。「いつかプリキュアにもなってくれたら嬉しいな」なんて言ってくれていたのが、「本当になってる!」って(笑)。プリキュアで育ってきた世代の方たちすごく喜んでくれたり、プリキュアを見てこなかった男性のファンからも、「南條さんがプリキュアか、感慨深いな」というメッセージをもらいました。やっぱり、歴史も長い作品なので、みんなお祭りのように楽しんでくれているのが印象的でしたね。

花井:私は、ファンの方で「いつかプリキュアになったらいいな」というのをずーっとずーっと書いてくださっていた方がいたんですよ。だからこそ、実際になれたときに一番最初に伝えたかったのがファンの方たちでした。受かった直後は、メロロンとして、キュアキッスとしてやっていく実感がいまいちできていなくて。でも、とにかくファンの方にこの嬉しさと幸せな気持ちをお届けしたいなとずっと思っていました。こうしてテレビの前でファンの人に、そして小さいお子さんにお届けできることをすごくうれしいなと思っています。メロロンとキュアキッスという役を演じることは本当に難しい部分もたくさんあったんですけど、自分にとって糧になる、本当に貴重な経験をさせていただいてるなという気持ちです。

―お2人がプリルンとメロロンを演じられていて共感する部分や、印象的だったシーンはありましたか?

南條:プリルンのセリフで「頑張れー! は届くプリ!」ってメロちゃんに教えるシーンがあるんですけど。私にはファンの人たちの応援によって、ライブ嫌いを変えられてしまったっていう実績もあるので(笑)。「本当に届くよ!」っていう気持ちで言わせてもらったりしました。プリルン自身でいうと、本当に私とは逆で。どっちかっていうと、私は闇属性なんですね。プリルンって本当に光みたいな、自分が「これをやりたい、これが素敵だ、楽しそう」っていう、純度100%で行動できる子なので。私は「こう言ったらこう思われるかな」「こう思われちゃったのかな」とか、つい考えてしまうネガティブな人間なので、プリルンのような前向きな考え方ができたらいいなと思います。だから私はプリルンとはむしろ逆の立場にいるんですけど、「頑張れー! は届くプリ!」というセリフは、「プリルンわかるよー!」と思いながら言わせてもらいました。

花井:私は、キッスのセリフではないんですけど、映画の中で動物と飼い主の関係を描いたわんぷりの方々ならではのセリフがあって。わんぷりさんがその言葉を言ってくれたことに、すごくグッとくるものがあったので、アフレコの時、涙が出ない様にすごく構えてました。アイドルって儚い存在ではあるけど、本当に、出会ってそのときに感じた気持ちや、共有した時間が何よりも幸せで大切で尊いものなんだなというのを、改めて感じさせてくれたセリフでした。

南條:私も毎回そこで泣いてしまう。

花井:そうですよね。やっぱりこのセリフをわんぷりさんが言うというところに込み上げてくるものがあって、すごく印象的でした。

―今作には『わんだふるぷりきゅあ!』と『ひろがるスカイ!プリキュア』の2シリーズのプリキュアも登場します。見どころを教えてください。

南條:私達キミプリチームが歌っている中で戦ってくれたりしているのが、すごい感激で。一緒にアフレコできたのもすごく光栄でしたし、さきほどお話にもあったわんぷりさんたちのセリフを実際にアフレコしながら聞けたのも嬉しいですね。

映画ではそれぞれのシリーズで活躍したプリキュアが駆けつける

花井:わたしも、先輩たちと一緒に掛け合いができたことが本当に良かったなと思います。先輩たちの背中ってやっぱり広く大きく見えるから、来てくれただけで本当に安心できる。「もう大丈夫だ」という気持ちにさせてくれる存在でした。あとは「宇宙1」のアイドルフェスティバルという舞台の上でしか見られないわんぷりさん、ひろプリさんたちもすごく魅力的で、皆さんキュンとくるんじゃないかなと思います。最後のライブのシーンとかも、瞬きせず逃さず見て欲しいですね。

『映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!』

9月12日(金)全国ロードショー
配給:東映
コピーライト:©2025 映画キミとアイドルプリキュア♪製作委員会
声の出演:松岡美里、髙橋ミナミ、高森奈津美、南條愛乃、花井美春
長縄まりあ、種﨑敦美、松田颯水、上田麗奈
関根明良、加隈亜衣、村瀬歩、七瀬彩夏、古賀葵
諏訪部順一、佐久間大介
内田真礼 佐倉綾音 
津田篤宏(ダイアン)
映画主題歌:「♪HiBiKi Au Uta♪」作詞:青木久美子 作曲・編曲:馬瀬みさき
原作:東堂いづみ
監督:小川孝治
脚本:吉野弘幸
音楽:深澤恵梨香/馬瀬みさき
キャラクターデザイン・総作画監督:板岡錦
美術監督:谷岡善王
色彩設計:竹澤聡
撮影監督:大島由貴
CGディレクター:近藤まり
製作担当:直田宏隆

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