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君島大空『音のする部屋』全曲解説——J-POPの共感性、歌詞表現への苛立ちとともに語る

2025.6.2

#MUSIC

6. “Lover”——宣言するように綴られた、新たなキャリアを告げる歌

―楽曲自体については6年間の振り返りでも話してもらいましたが、“Lover”がこのEPに入ったことでどんなことを思いますか?

君島:構えができて、この流れで聴けるので、シングルで出したときよりいいなと思いました。自分のイライラした気持ち、焦燥感を初めて曲中で表現したEPの最後に、今まで使ってきた言葉、文体の延長線上にある曲が来る感じがいいなと。

―よく知っている君島さんがいる感じがします。

君島:そうそう。僕もそれがいいなと思います。

―この曲の中には2人の人がいて、単純にその関係性を歌っているようにも聴けるし、ある種、君島さん自身の誓いのような歌でもありますよね。

君島:そうですね。宣言みたいな感じがします。

―このEPの自己言及的な楽曲、君島さん自身が一人称となった歌も経て“Lover”を聴くと、君島大空というひとりの人間が作品の中に息づいていることをより一層感じます。

君島:ああ、確かに。それは意図したところもありました。バンドでもやるけど、最後に“Lover”で全部ひとりでやってきた時間が一番広がるように今回は作りました。

―“釘”みたいな不思議な曲も作品の中でちゃんと居場所があります。

君島:ここで急に“釘”のことを思い出さないし、思い出せなくなるからいいんですよね(笑)。

―「これまでやってない新しいことをやった」という作品の成立背景も重要ですが、“Lover”でここまでの5曲があった意味も回収する強度のある作品になりました。

君島:普通にめっちゃいいんだよな。そういうものって意図して作れないんですよ。でもできるんじゃないかと思って作ったEPです。“Lover”のためのEPでもあるけど、いろんな角度から見て意味合いがあるように作りたかったし、ちゃんとふざけられたし、達成感があります。

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