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大根仁に聞く、坂本慎太郎ライブの裏側「100年先にも文化遺産として残したかった」

2025.5.14

#MOVIE

仕事を共にした大根から見る、坂本の隠れた一面

─そもそも、『ゆらゆら帝国 2009.04.26 LIVE @日比谷野外大音楽堂』と『坂本慎太郎LIVE2022@キャバレーニュー白馬』の間には、大根さんがディレクションしたドラマ『まほろ駅前番外地』(2013年)がありました。ソロになった坂本さんが劇中のBGMと、エンディングテーマの”まともがわからない”を提供しています。

大根:劇伴は深夜ドラマをやってる頃から自分で発注してます。僕はドラマでも映画でも劇伴をプロの音楽作家に頼むことがあんまりないんです。好きなミュージシャンやDJ、トラックメイカーに頼みたい。それは自分の好きな音楽を劇中でも流したいから。

坂本さんにオファーしたのは、ソロのファースト『幻とのつきあい方』(2011年)の初回盤についていた全曲のインストを聴いて、「あれ? 坂本さん劇伴できるな」と思ったのでオファーしました。坂本さんのイメージは神格化とまでは言わないけど、ベールに包まれているようなところもある。でも普段の坂本さんは、普通にしゃべるし、社交的でもあります。もちろん納得できない仕事はしないでしょうけど、『まほろ駅前番外地』のときは台本を読んでくれて、これだったらOKだと職人的なマインドでやられてたんじゃないかなと思います。あがってきた劇伴もドラマの世界に寄り添っていて、想像以上に素晴らしかったです。

坂本慎太郎『まともがわからない』をSpotifyで聴く

─”まともがわからない”が生まれたのも、ドラマの内容ありきですからね。

大根:オープニング曲はフラワーカンパニーズ(”ビューティフルドリーマー”)に決まっていたので、坂本さんにはエンディングテーマを頼みたいと思ったんです。「ドラマの余韻が残って、暖かくも切なくもなるような曲を」と発注したんですけど、デモが届いたときのことは今でもすごく覚えてますね。現場で撮影が半分くらい終わった頃にデータが届いて、「いいのできましたよ」って書いてあったんですよ。「坂本さん、いいのできましたよ」って言うんだって思いました(笑)。その場で聴いて、イントロから最後のフェイドアウトまで全てが最高で、ずっと鳥肌が立っていましたね。あの衝撃は、今後一生超えることがないんじゃないかと思います。

─”まともがわからない”は『坂本慎太郎LIVE2022@キャバレーニュー白馬』でも素晴らしい映像を見ることができます。

大根:そういえば、ニュー白馬の少し前にあった10月の人見記念講堂でのライブのセットリストには”まともがわからない”が入ってなかったんですよ。でも、ニュー白馬のリストにはちゃんと入ってた。坂本さんって「入れましたよ」って自分からは言わないんですよ。あとで坂本さんに「ひょっとして俺が撮るから入れてくれたんですか?」って聞いたんです。そしたら返事は「まあ⋯⋯そういう面もありますよね」って(笑)。そういう人ですよね、坂本慎太郎って。

『坂本慎太郎LIVE2022@キャバレーニュー白馬』

英題: Shintaro Sakamoto LIVE2022@CABARET NEW HAKUBA
出演: 坂本慎太郎、AYA、菅沼雄太、西内徹
監督: 大根仁
2025年5月1日(木)Netflixにて配信開始。
*期間限定での配信になります。

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