INDEX
視聴者の「鏡」のようなヒデキ(吉村界人)とよもぎ(吉岡里帆)

全20回 / 5週の『ひらやすみ』が、早くも最終週を迎えた。第2週までは29歳のフリーター・生田ヒロトと、美大入学のため山形から上京してきたヒロトのいとこ・小林なつみという2人の「平屋暮らし」を中心に描いていた本作は、第3週以降「平屋の外側」も描き始めた。そこで映し出されるのは、変わらないヒロトと対照的な生活をしている人々の姿だ。
第9回では、ヒロトの親友・ヒデキ(吉村界人)のこれまでの言動に「見栄っ張りゆえの嘘」が含まれていたことが判明し、彼の変わらなさゆえの、彼の妻サキ(蓮佛美沙子)との間の衝突が明らかになった。また第10回では、仕事が忙しすぎて実家に帰る時間すらとれない日々の中で、実家の愛猫の死を知ってしまうよもぎの悲しみが描かれた。
ヒデキには家庭があり、子どもの誕生という一大イベントが間近に控えている。不動産会社でエースとして働くよもぎは、いついかなる時も仕事に追われるストレスフルな日常を送っている。ヒロトに対して「ずっと変わらねえから、お前といるのがめちゃくちゃ楽しい」と思うヒデキと、「みんながみんな、あなたみたいに生きられると思わないでよ!」とやり場のない苛立ちをぶつけてしまうよもぎは、ある意味、視聴者の「鏡」のような役割を担っていると言える。