グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
8月6日は、アーティストの遠藤治郎さんからの紹介で、画家の福津宣人さんが登場。映像クリエイターから画家に転身したきっかけや、絵を描く時に模様を使う理由についても伺いました。
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チームでの制作よりも、個人的な物語を自分で紡ぐことに興味があった
タカノ(MC):福津さんは映像クリエイターとして活動されていたとお聞きしましたが、今は画家として活動されているんですね。
福津:そうですね。最近は絵を描くだけで生きています。
タカノ:様々な模様を使った、独自の絵画様式を用いているということで。まず、映像クリエイターから画家になった経緯を教えて下さい。
福津:仕事をしている中で、本当に自分自身が求めていることが見い出せなかったんですよね。自分がこの世界についてどう思っているのかを感じ取るにはどうしたらいいのか、ということを集中して考えたいというのが、1番大きな理由でした。あとは、僕自身が絵を見て、絵っていいな、と思った瞬間があって。
タカノ:もともと絵は描かれていたんですか?
福津:仕事をしている間も、絵は描いていました。30年前ぐらいにニューヨークに行ったんですが、その頃のアートの世界は、現代美術と言われるような、インスタレーションとか、ものすごくコンセプトと密接に繋がっているような作品が多く出てきた時代なんです。そういうものも好きだったんですけど、ただただ、ペインティングを見た時に、ぐっときちゃったんですよね。
タカノ:作品を見て、それで自分も絵の世界に、という。
福津:そうですね。もちろんコンセプチュアルな絵とかもいっぱいあったわけですが、僕自身がすごく惹かれたのは、「この人、なんでこれを描いたんだろう」という、ものすごく個人の話に特化しているような作品で。それで、やっぱり絵っていいな、この作業をずっとしていきたいな、と思ったんです。そういう経験も、画家になったきっかけの大きな部分かもしれないです。
タカノ:やっぱり映像よりも、絵の方が自分としっかり向き合う感覚が強いですか?
福津:強いですね、絵ってすごく制約のある表現だと思うんですよ。目の前にあるところに何かを描いていく。その制約の強さみたいなものによって、逆にその場でものすごく個人的なことで自由でいられるというか。外的なものが色々あると、自分のことにフォーカスしづらいというのはあると思います。映像だとスタッフが沢山いるので。でも、チームで作ることもすごい喜びだと思うんです。ただ、僕自身はその喜びよりは、個人的な物語を自分で紡ぐということに興味があったのかもしれない。
mikako(MC):自分との1対1の対話みたいなことですね。
福津:そうですね。