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商品の背景にあるストーリーを丁寧に伝えるオンラインストアが増えてきている
タカノ:Webサイトのトレンドについても気になっているのですが、最近の流行りなどはあるんですか?
石黒:最近ですと、オンラインストアのご依頼をいただくことがすごく多いですね。トレンドというか、自分が仕事をしている中での実感なんですけれど。以前はオンラインストアを小さな規模で始めるのが難しかったのですが、最近は個人で運用することが簡単になってきたんです。導入コストの面でもハードルが下がっており、始めやすくなっています。それで、従来のブランドサイトに加えてオンラインストアも作って、自分たちで販売を手がけられているところが増えてきました。
そこからさらにもう1つ、オンラインストアの中で、商品のことをより詳しく伝える流れが来ている印象があります。例えば香りを作るブランドだったら、その香りはどこから抽出されているかということをオンラインストアでちゃんと説明して、そのまま購入できるようにするということですね。あとはミュージシャンだったら、CDやレコードを作った背景や、こういう出演者でこういうことが起こりました、というエピソードや、ジャケットのデザインのことなども含めて、一緒に伝えながら販売していくですとか。Amazonや楽天のようなインターネット上の商業モールなどでは載せきれないような商品の魅力や、商品の背景にあるストーリーをより丁寧に伝えて、それが販売と一緒に繋がっていくというのが大きな流れになっていると感じますね。
購入される方も、そういうところから買いたいという流れがあると思います。靴や洋服を買うとしたら、「この身長だったらこのサイズ感ですよ」みたいな情報をちゃんと伝えていくところで買いたいという傾向になっていて。なので、オンラインストアでどんどん丁寧に商品の魅力を伝えていくというのが、流行りとして1つあるんじゃないかなと思います。
Celeina:もともとオンラインストアを小さな規模で始めるのは難しかったとおっしゃっていましたけれど、それはどういったところが壁になっていたのでしょうか?
石黒:オンラインストアでは個人情報やクレジットカード情報などの取り扱いがあるため、かつてはセキュリティ面や決済機能の構築など、ゼロからシステムを作るのは非常にハードルが高かったんです。それが今では、必要な機能がパッケージ化されたプラットフォームが普及し、カスタマイズするだけで簡単にオンラインストアを始められる時代になっています。
カスタマイズの自由度もかなり高くなっていて、ブログを併設したり、商品ページで音楽イベントのチケットを売ることもできたりします。音楽の場合だったら、そこで「こういうイベントがありますよ」と告知したり、過去のイベントの写真を載せて雰囲気を伝えたりもできます。ミュージシャンの方がそれをソーシャルメディアなどで発信してみんなに見てもらうことができるので、より魅力を伝えていきやすくなったと思います。
タカノ:なるほどね。聞きましたかスタッフの皆さん、J-WAVEの『GRAND MARQUEE』のホームページに、タカノの小説を売るページを作りましょうよ(笑)。