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コミュニティが生まれるような媒体を作りたい
タカノ:大野さんはずっと雑誌を作り続けてきたんですよね。
大野:大学を出て最初の仕事が雑誌作りだったので、ずっと雑誌を作ってきました。
タカノ:今回、雑誌ではない媒体を始めた理由は何かあるんですか?
大野:3年くらい前に、雑誌は古いなと正直思ってしまったんです。雑誌が今も大好きなのは間違いありません。ただ音楽でいえば、サブスクの時代なのにアナログレコードを作っているみたいな感覚になってしまったんです。アナログレコードも素晴らしいし、残すべきものなんですけどね。
僕がやっていた『Fine』『warp MAGAZINE JAPAN』は、割とこれらのストリートカルチャーが好きな人は全員チェックしているみたいな媒体だったんです。やっぱり何かをやるからには、全員にチェックしてほしい。 あと雑誌は、それこそ読者モデルとか読者スナップみたいなものの走りだったので、皆でやっている感覚があったんですよ。 でも、今の雑誌にしてもWEBメディアにしても、皆でやっている感覚がないので、皆でできることをしたいなと思ったんです。
タカノ:確かに皆でやっている感覚は、最近あまり感じられないかもしれません。
大野:雑誌とかWEBメディアは一方通行じゃないですか。それよりも「何か一緒にやろうぜ」みたいな感じでできたらすごくいいなと思っていて。昨日出演した堀内もですが、『Fine』『warp MAGAZINE JAPAN』の時代に一緒に仕事をした人や、出てもらったラッパーやスケーターは今でも皆仲が良くて、コミュニティみたいだなと思ったんです。それで、コミュニティを形成できるような媒体がやりたいなと思い、今の時代に1番あっているのは何かと考えた時に、結論としてメディア型プラットフォームという形が出てきました。
タカノ:なるほど。考えてみたらストリートって人ですもんね。人どうしの繋がりというか。
大野:『SiiiCK』はそこを目指しました。