グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
4月10日は、「走馬灯」店主の大槻将之さんからの紹介で、草月会本部講師であり、いけばな教室「麗―rei―」の主宰でもある大泉麗仁さんが登場。シドニーでいけばなを始めたきっかけのほか、草月展新人賞の審査内容や、「北村写真機店」で行なっている「おもてなしの花」の制作についても伺いました。
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シドニーで日本人の先生と出会い、いけばなを始めた
Celeina(MC):まずは、大泉さんのプロフィールをご紹介させていただきます。大泉さんは2000年に草月流に入門され、2004年には第86回草月展で新人賞を受賞。その後も、2011年にThe Power of Flowers賞、2016年にFlower Art Award 2016の最優秀作品賞、2025年に第5回新いけばな主義グランプリなど数々の賞を受賞され、現在もご活躍中です。
タカノ(MC):いけばなを始められてどれくらいになるのでしょうか?
大泉:25年くらいになります。
Celeina:いけばなとは、どんなきっかけで出会ったのでしょうか?
大泉:2000年にシドニーに住んでいたのですが、そちらでは西洋の文化が主流でしたので、最初はフラワーアレンジメントを習っていました。ただ、もともといけばなに興味がありましたので、日本人の素晴らしい先生と出会ったことがきっかけで、本格的に学び始めました。
タカノ:実際に始めてみて、その魅力に引き込まれたのですね。
大泉:はい。草月流ではまず型を学びますが、最終的には自由な表現ができるという点に大きな魅力を感じました。ちょうどその年はシドニーオリンピックが開催されていて、先生がイベント会場の装飾を担当されていたので、私もお手伝いをさせていただく機会がありました。ダイナミックで大きな空間もいけることが出来るんだなと思いましたね。
Celeina:いけばなを始めて間もない頃から、大きな舞台でお手伝いなどされていたのですね。
大泉:週に3回ほどお稽古をさせていただいて、現地の日本人が経営するお花屋さんでもお手伝いをさせていただいていました。
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フレッシュな感性や豊かな発想が評価される草月展で、新人賞を受賞
タカノ:そして2004年には草月展で新人賞を受賞されましたが、いけばなのコンテストではどのような審査が行われるのでしょうか?
大泉:草月展は年に1度開催される大きな展覧会で、テーマはあるのですが、基本的には自由な発想で作品を作ります。新人賞の審査では、外部から2人の審査員が入り、特にフレッシュな感性や豊かな発想に注目して評価されますね。
タカノ:技術だけではなく、個性や創造性が重視されるのですね。
Celeina:エントリー数はどれくらいになるんですか?
大泉:名前は伏せられて、出展後に審査が行われますので、出展者もエントリー数などは把握できないんです。
Celeina:まさに作品そのものが評価される場なのですね。
タカノ:季節の植物を使うといったことも評価に影響するのですか?
大泉:決まった植物を使えば良いというものではなく、見たことのないような新鮮な表現や、見る人に感動を与えるインパクトのある作品が評価されます。
Celeina:2004年に受賞されたときの作品は、どのようなものだったのでしょうか?
大泉:少し珍しい素材なのですが、海綿を使いました。植物素材ではないのですが、それにニューサイランの葉を割いて組み合わせ、ガラスとともに作品を仕上げました。
タカノ:とても独創的ですね。デザインセンスも問われる世界なのだと感じます。
大泉:その時々で、それぞれの感性でいけられていますね。運良く賞をいただけたのだと思っています。