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『バーニングマン』で見たアートカーに影響を受けデコバンの制作を始めた
タカノ:始めるきっかけは何だったんですか?
木田:すごく色々な理由があるんですけど、1番でかいのはアメリカの『バーニングマン(Burning Man)』というイベントに行ったことです。2008年、2009年と遊びに行っていて、その後、2014年にアフリカ版の『アフリカバーン(Afrika Burn)』にも遊びに行ったんですよ。その頃、自分が29、30歳くらいで「俺もそろそろ大人になったな、何かしようかな」と考えていたところ、思いつきました。
タカノ:アフリカ版の『バーニングマン』で実際に屋台とかを見てインスパイアされたんでしょうか?
木田:『バーニングマン』って、アートカーみたいなものが走っているんです。火を噴く車とか、色々な人たちが自分たちで奇抜な車を作っているんですよ。
タカノ:『マッドマックス』(原題:Mad Max)みたいな?
木田:まさにマッドマックスみたいな車を作っている人がいて、そういったものに影響を受けて、「俺もやりたいな」と思ったんだと思います。
Celeina:なるほど。昭和感も漂っていますが、それも何か思いがあったんですか?
木田:昭和のああいう雰囲気というか、デタラメ感がめっちゃ好きで。映画や漫画も古いものが好きなので、多分そういうことがやりたかったんだと思います。
タカノ:昭和の横丁の猥雑感は、いい意味でアイコニックですよね。このデコバンはどれくらいの期間をかけて作ったんですか?
木田:デコバンを作ろうと思いついたのが『アフリカバーン』に行った2014年あたりで、完成したのが2021年の秋くらいです。
Celeina:結構時間がかかったんですね。
木田:看板を集めるのがすごく大変で、7年間のうち6年半ぐらいはメルカリとヤフオクに張りついている感じでした。
タカノ:看板ってメルカリとヤフオクに出品されているんですか!
木田:「昭和 スナック 看板」で検索して、6年半くらい家の布団の中でバーって探していましたね。
Celeina:このデコバンって総額いくらくらいかかっているんですか?
木田:計算したことはないんですけど、材料費で言うとそんなにかかっていないと思います。車も30万円くらいだし、全部で200万かかっていないくらいですかね。でもやっぱり維持費がかかります。材料費200万円のうち、その車で稼いだのは今のところ多分15万円くらいだと思います。
タカノ:なるほど。仕事という感じではなく、活動としてやっている感じでしょうか?
木田:いや、仕事になると思ったんですよ(笑)。 2021年の秋に出来上がった瞬間に「これやべえぞ」と。でも街に出たら、僕の接客が駄目なのかもしれないですけど、全然稼いだりはできなくて。お金稼ぎはもう諦めていて、今は完全に遊びに振り切っています。
タカノ:アート活動みたいなものですよね。
木田:そうですね。路上でのパフォーマンスとか、そういう現象としてやっている感じです。